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第139話 消える。

「店長、掃除終わりました!」


「ありがとな。よし、5分後にもう一回外掃除行ってこい」


 今日のシフトはバカと一緒だ。最近こいつの記憶力が低下しすぎて、任せられる仕事がマジで外掃除しかない。もうなんで雇っているのか自分でも理解できないレベル。……しかし何だかんだ言って、良いやつだからクビにはできないんだろうな。


「店長……すみません」


「ん?どうした?外掃除はさっきしたってか?」


「いえ……外掃除って何でしたっけ」


「お前な……そこまで来ると俺は一体何を任せればいいんだ」


「すみません……」


「じゃあいいや。洗い物頼むわ」


「あらいもの……?」


「お前嘘だろ!何ならわかるんだよ!」


 このレベルまで来ると、もう小学生雇うほうがいいんじゃないかとすら思えてくる。というかこいつシフトに入れば入るほど、馬鹿になってねえか。雇った時は少し不器用ってぐらいだったんだけどな……。


「すみません……」


「勘弁してくれよな。今はお客さんも少ないし、俺と一緒に新商品の棚空けするか」


「あの……」


「今度はどうした?棚空けがわかんないってか?」


「あなたは誰ですか……?」


「お前……。それは馬鹿とかそういうレベルじゃないぞ。冗談か?」


「す、すみません……。本当にわからないんです……」


 どうしたんだろう。……具合でも悪いんだろうか。普段から頭がおかしいことを言っているが、ここまでひどいのは初めてである。これじゃまるで――。


「……しばらく事務所で休んどくか?あれだったら帰ってもいいぞ」


「……わからないんです」


「……どうした?」


「自分が……何者か思い出せんないんです……」


 ――記憶喪失みたいじゃねえか。

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