第133話 ふぇー。21
「柚子ちゃん、美味しい?」
「ふぇー!」
マック野郎から何とかしてハンバーガーを購入した後、今は柚子ちゃんと一緒にご飯を食べている。あーあ。……せっかくの機会だし何か喋りたいな。ふぇー以外の普通の会話がしたい。
――そんな事を考えていると、柚子ちゃんは携帯をいじり始めてしまった。何か文字を入力する動作をしている。……俺と遊ぶのに飽きてしまったのだろうか?食べる以外に、大した会話も特にないしな……。
しばらくすると、柚子ちゃんが携帯の画面を見せてきた。……何だろう?何やら文字が書かれている。
『ふぇー』
「……えっ」
な、なんだろう。これを見せてどうしたいんだろう。どうリアクションするのが正解なんだろう。柚子ちゃんの意図が全然わからない。
「ふぇー!」
「う、うん……ふぇーって書いてるね」
「ふぇー!」
「う、うん……」
マジでどうすればいいんだろう。……カラオケの時とはまた違った気まずさがある。再び柚子ちゃんは携帯に何か文字を入力し始め、打ち終わるとまた携帯の画面を見せてきた。……今度はなんだろう?
『ふぇー!』
「う、うん……」
「ふぇー!」
「こ、今度はビックリマークがついてるね……」
「ふぇー!」
……はぁ。いい加減柚子ちゃんと喋れるようになりたい。




