第117話 上神妹。4
「柚子ちゃん。この子が今日からバイトで入る藍ちゃんね」
「ふぇ……よろしくね、藍ちゃん」
「柚子先輩!よろしくお願いします!」
「それじゃあ最初は事務所で教えるから、柚子ちゃんレジ任せていいかな?」
「ふぇー!」
今日は柚子ちゃんと上神妹の3人が一緒だ。とりあえず基本的なことを教えるため、一旦事務所に移動。椅子に腰かけ、一日の仕事の流れを大ざっぱに教える。案外俺の説明に対して、集中して聞いてくれているし、メモもちゃんと取っている辺り、根は真面目な性格のようだ。気持ち悪い所を除けば優秀な人材なのかもしれない。
「あの……店長さん。1つだけ分からないことがあったんで、質問してもいいですか?」
「どうした?」
「どうすればお兄ちゃんと性的行為ができますか?」
「何も関係ない質問してくんな!」
「関係あります!!!アルバイトを始めた目的の7割がそれです!!!」
「目的不純すぎるだろ!!!
他の奴が付き合うの阻止するって最初言ってなかったか。知らぬ間に目的変わってんぞ。
「と、とにかくだ。説明もざっとやったし、こういうのは慣れたほうが早いから、まずはレジ打ちからやってみるか」
「了解です!……あ、ちょっと待ってくださいね」
「ん?どうした?」
そう言い、上神妹はポケットから靴下を取り出した。
……何でそんなもんポケットに入れてんの。
「……すぅ……はぁ……すぅ……はぁ……いい匂い……」
「な、なにしてんの」
「……げほっ!げほっ!……え?お兄ちゃん成分を体に取り込んでいるんです。ブラコンなら皆やってますよ?」
「…………」
ほんとにやばい子雇ってしまったな……。




