第114話 うさぎ。6
「ぴょん!ぴょん!」
「…………」
「いらっしゃいましたぴょん!」
「…………」
「可愛いうさぎが店に紛れ込んできたぴょん!!!」
「あーもうなんだよ!」
今日はうさぎ女が店に来た。客相手にこの態度はどうなのかと思うが、こんなやつは関わっても疲れるだけだから基本的に無視するのが一番である。
「話を聞いてほしいぴょん!」
「なんだよ。さっさと言え」
「今度赤坂様をデートに誘いたいぴょん!!!それで……どこがいいか相談したいぴょん!」
「だからうちは恋愛相談所じゃねえよ。カラオケとかそういう若者が好きそうなとこに行けばいいじゃねえか」
「理由はわからないぴょんけど、人目が多い所がいいらしいぴょん!」
「…………なるほど」
密室だと何されるかわからないからそんなこと言ってんだろうな。
「何かいい案はないぴょん?」
「京都とか行ってきてたらいいんじゃないか?」
「京都!!!めっちゃいいぴょん!!!八つ橋と私のコラボレーションを見せることができるぴょんね!!!」
「いや、意味わかんねーよ。とりあえずこれで相談終わりな。とっとと帰れ」
「まだあるぴょん!」
「まだあんのかよ」
「手をつなぎたいぴょん!あわよくばお姫様だっこされながらデートしたいぴょん!」
「理想が高いわ!お姫様だっこしながら移動って筋トレかよ」
「私はめっちゃ軽いから筋トレにならないぴょんよ?だってにんじん3個分ぴょん!お姫様だっこするのに適した体重ぴょん!」
「ぬっころすぞ」
「ひぃー!」




