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第110話 ライン。 

 久しぶりの休日。


 コンビニの店長なんかしてると、シフトの状況によっては1週間ずっと働きっぱなしっていうのもざらである。だから今日みたいな日はまったり布団の中で過ごしている。


 あー幸せ。うー幸せ。布団がぬくぬくしててたまらんな。


 ――――俺が二度寝しようか迷っていると、急に携帯が震え出した。


 ……誰からだろう。バイトを休むとかそんな連絡ではないことを祈りたい。




柚子:あかっちさんから教えてもらいました……!登録お願いします!この間はプレゼント本当にありがとうございました。




 ゆ、柚子ちゃんからLINEが来てる……!?しかもふぇーじゃない……!


 改めてプレゼントをあげて大正解だったと感動。思わず携帯の画面保存をする。


 そうか。流石にこういう通信機器を使えば、柚子ちゃんはふぇーって言わないのか。


 これは人類史上最も凄い発見かもしれない。




店長:喜んでもらえたみたいでこっちも嬉しいよ。


柚子:あの……店長さんの誕生日っていつですか?


店長:4月1日だよ。


柚子:エイプリールフールと同じ日ですね。笑




 わー!柚子ちゃんが「笑」とか使ってる!わー!テンションあがるぅ!俺の眠気もとっくに覚め、柚子ちゃんとのやりとりを楽しんでいた。

 

 ――――しかし




店長:こんな日だから友達に「誕生日プレゼントやるよ。嘘だけどな」みたいなこと言われるんだよ。笑


柚子:ふぇー


店長:あれ?


柚子:ふぇー


店長:あ、あれ?


柚子:私はちゃんとプレゼントあげますよ!安心してください。笑




 やり取りをしているうちに気づいたが、3回に1回ぐらいの確立でふぇーって返ってくる。


 なにこれ。通信妨害か何かでしょうか。携帯会社に文句言いに行けばいいのかな?


 しかし、多少違和感はあるが、それでもなんとか会話ができているので、ありがたい限りである。




柚子:ふぇー


店長:今度また新人の子が入ってくるから面倒みてあげてね。


柚子:ふぇー


店長:よろしくね!


柚子:あの……店長さん。


店長:どうしたの?


柚子:えっと……あの……。




 …………何だろう。柚子ちゃんが緊張しているのが文章からも読み取れる。何を言われるんだ?


 ……もしかしてバイト辞めるとか?待て待て。ネガティブになるな。ポジティブに考えるんだ。……そうだ。愛の告白かもしれない。うん、そうに違いない。自分に言い聞かせるように、緊張しながら画面を見つめる。




柚子:えっと……前から言おうと思ってたんですけど……。


店長:……どうしたの?


柚子:……そろそろふぇーしたいです。


店長:……え?


◇ 

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