第106話 ナンパ。2
翌日。
「昨日はご迷惑をおかけしました。今日は頑張ります」
「お、おう」
心配していたが、七海ちゃんの様子もだいぶマシにはなっていた。
――――しかし。
「見ろよ!このレシート!!この間買った時に違う商品まで入ってるんだけど。これって詐欺だよね?」
「…………申し訳ございません……。すぐ返金します」
昨日のチャラチャラした金髪の男がまた店にやってきた。七海ちゃんとまた何か話している。
「いやさ、そういう問題じゃねえの。こっちは気が済まないんだよね」
「…………すみません……」
「あーそうだ。一緒に遊びに行こうよ。それで許してあげるよ」
「…………」
「なんで黙ってんの?黙ってたら許されると思ってるの?」
「…………す、すみません……」
「いや!すみませんじゃなくてさあ!」
金髪の男が七海ちゃんの手首を掴み、店中に響くような大きな声で怒鳴っている。
「こっちは騙されて金を多く支払ってるんだよ!わかる?なあ!」
「………ご、ごめんなさい……」
「謝ればいいってもんじゃねえんだよ!!!」
――――いい加減にしろ。
気が付いたら俺は後ろから金髪男の肩を強く掴み、睨み付けていた。
 




