表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/245

第10話 たばこ。2

「なあなあ!たばこ売れよ!はげ!!」


「また来たな。クソガキ」


 この間の小学生が再びやってきた。今日のファッションは制服にランドセル。中にはリコーダーが入っていて、少しだけはみ出している。せめて、私服でこいよ。まあ外見で騙されることは絶対にないが。


「はげ!早くマイセン売れよ!!」


「ちょっと待ってろ……あ、もしもし警察ですか」


 素早い対応。こういうことは警察に任せたほうがいい。これが大人の力だ。見たか。クソガキ。


「ちょ!お前小学生相手に警察呼ぶとかまじないわ!しねよ!器ちっせ!」


「小さくねえよ!めっちゃ大きいからな!」


 クソガキの暴言にムカつき電話を切る。琵琶湖よりも心が広い俺でも、流石に許せないことがある。器ちっさくなんかないし。全然ちっさくないし。マジで意味わかんないんですけど……。え、小さくないよね。


「とにかくマイセン売れよ!!今回はちゃんと策があるんだぜ!!」


「策?なんだそれ?」


「これ見ろよ!かす!」


 クソガキは、財布の中から運転免許証を出し見せつけてきた。


「はい、これでオーケーだろ!!ばーか!!早く用意しろよ。はげ!」


「あのな。まず質問その1。この免許証はどうしたんだ?」


「俺のだよ!!」


「質問その2。免許証の写真と、容姿が全然違うんだが、これはどういうことだ?」


「写真写りが悪かったんだよ!!」


 写真にはどう見てもおっさんが写ってる。お前こんなにハゲてねーだろ。


「質問その3。生年月日と名前言ってみろ」


「え……あ……書いてあるだろ!!文字読めねーのかよ!ばーか!!」


 そりゃ覚えてないだろうな。どうせ、この免許証どっかで拾ってきたんだろ。ったく。後で交番に届けないと。


「質問は以上だ。なんか言い残したことはあるか?」


「……と、とにかくマイセン売れよ!!」


「よし、ちょっと待ってろ……あ、もしもし警察ですか」


「っちょ!!警察呼ぶなよ!はげ!!あーもう!また来るからな!!覚えてろよ!!!」


 そういい、クソガキはそそささと店を出て行った。


 今度うちの店に来たら、防犯カメラに写った映像を警察に持って行ってやる。


 大人なめんなよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ