仲間
「……」
希雀「嫌だね。お前らに渡すか。」
あの人間達は、どうみてもアイツらだ。あのやつらだ。 そう思ったとたん、体が震え上がった。 希雀もきづいていただろう。震えていることを。
「……っ…」
希雀「……?」
怖い。とても、怖かった。もう、ダメだと思ってしまった。頭が真っ白になる。そして、奴等にされたことが頭から横切っていく。
あぁ、すごく嫌だった。
毎日された。時間ごとに変わっていく。
朝は暴言だ。まだ、ましだった。昼は、暴力をされた。ストレス解消なのだろう。
朝と昼は序の口だった。でも、深夜ぐらいには。奴等、三人が他の奴等に黙ってこっそにくる。
11歳の頃、初めてされてすごく嫌だった。
でも、毎日やるようになり、次第となれてきたのだろうか、感じなくなってしまった。あの頃からあいつらが大嫌いになった。
人間「…こいつがいないとオレ達のストレスがたまってしまうだろう!」
希雀「そんなの、知ったこっちゃねえよ!」
すると、奥の方からバスが通ってきた。そして、こっちに向かっていた。
希雀「よっしゃ!丁度いいときに来たぜ♪」
人間「な、何だ!?」
運転しているのは以下にも子供だった。
運転手「早よう!入れや!」
そして、ドアが開いた。希雀はパパパッと入っていった。
希雀「…はぁっ……はぁ……」
運転手「……ん?…こいつがあの狼少女って奴か?」
ボクを指差した。運転手の特徴が瞳が紫色で金髪。先が黒い。そして、ヘッドフォンをつけていた。口には棒つきキャンディ。
運転手「…よろしく!俺は幸崎 ((コウザキ)) 希月((キツキ))や!」
ヘッドフォンをずらし、手を出す。
ってコウザキとコウサキってとても似ている。
「…」
喋れないから行動で伝えようとする。
ペコッとお辞儀をして握手。
希月「…?」
「………」
喋れない自分が憎い。そう思った。伝えれないのってこんなに辛いんだ。
希雀「………希月…」
希月「どうした?」
多分、気をつかっているのだろう。あえて、わからないフリをしよう。ボクは何も知らないよ。知らないよ。この世界もこの自分も。ずっと、捕まってて、記憶もなくて声もでない。本当に、ボクなのかな?
「……」
どうせ、また捕まるんだ。そしたら、捕まってすむのかな?むしろ、殺してよ。
「…………」
希月「……」
あ、心配されてる。ダメダメ。ボクは元気だよ?大丈夫だから!
ニコッと笑う。あれ?ちゃんと笑ってるかな?本当、なんにも自分のこと分かってない。
希雀「…あ、そうそう、この子の名前は朱雀!記憶があまりなくて、喋れないからな…」
ペコッとお辞儀。これが人間とのご挨拶。
希月「…そうなのか?ま、よろしく」