表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青葉のおと  作者: 光瑠
11/12

声の音

帰りの空港で階とバイバイしてからは土日に入り、LINEを一応繋いだものの階はバイトにバンドに忙しいらしい。


ただ、毎日少しの時間でも

バイトで疲れていようが

22時過ぎに必ず電話をくれる。


それは、本当にご飯を、食べる。お風呂に入る。保湿クリームを塗る。歯磨きをする。

そんな日々の無意識なルーティンの中にスッ

と。溶け込んだのだった。


今日の話は、なんだったかな

あ、そうだ

階のバイト中、店長が客と注文した物が間違ってるとか、なんとかで小競り合いになったらしい。


「もうほんまやめて欲しいわーそれから店長機嫌悪いしさぁ。おちゃらけもできんわ」



バイトといえど、責任持って働くということは大変ということは、頭ではわかっていたけれど、階の話を聞くと、身に染みて感じる



「あ、秋音。明日は夜スタジオ入るわ」


「そうなんだね、ねえ今度階の曲聞かせて欲しいなー」


「今練習してるやつ、うまなったらな!」



向こう側に、階のはにかむ笑顔が見えた。



「階はすごいなぁ。私なんて今日学校帰って何にもしてないよ」


「学校行っただけで偉い偉い。

俺今日寝坊して、3限からやもん」


「えー!お腹痛いからって行ってたじゃん!

心配したのに!」


「ごめん、ごめん」

向こう側で階の笑い声が聞こえる


心に出来る

ずんっと重い鉛のような感情を


いつも階はどこかへ飛ばしてくれる


私は階の心を軽くできているだろうか







そんなことを思いながら歯磨きをしようと一階へ降りた。リビングから母と父の声が聞こえて来た。


「あなた、向こうの女のところ行けばいいじゃない?貰うものはきっちり払って、秋音は私が育てますから」


「なんの話だよ、離婚はしない。秋音もお互いが居た方がいいに決まっているだろ。」


またこれか、、


もういっそのこと別れてくれたらいいのに。

いや、でも別れてお母さんと住むならお母さんの実家の関西に行くのか?

階と離れるのは嫌だな。


なんて、毎度な父母のやりとりに冷淡な感情しか出ない自分に驚きつつ。歯磨きを終え、寝床へつく。


階からLINEが来ていた。


「秋音、おやすみ」


の文字と可愛い猫のキャラクターのおやすみスタンプだった。


「おやすみ、階」


あえて、変な某人間が踊っているおやすみスタンプを送った。



きっと階は今頃、ふっと口角が上がっているはず。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ