表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/30

第五章 美食家の楽園、春色のストリートデート

「今日は町に新しい市場が開くんですって!」

リアナが元気よく厨房に飛び込んでくる。

「姉さん、そんなに騒がなくても聞こえてますよ」とリディアがため息まじりに続いた。


ジロウはエプロンを外し、「せっかくだし、みんなで行こうか」と提案する。

「え、わたしも?」とエレシアは少しだけ驚いた顔。「当然だろ。店のスタッフも、魔王も、たまには町に出て刺激を受けるべきだ」

「ふん。まぁ、みんなが行くなら付き合ってやる」エレシアは腕を組みつつ、頬を少し赤くして立ち上がった。


春の光が差し込む町のストリートは、屋台や露店で大賑わい。

リアナは「うわっ、かわいいアクセサリー!」と目を輝かせ、

リディアは「この本屋さん、珍しい魔導理論書がありますね」と静かに本を吟味する。

エレシアは、品物のひとつひとつにじっと目を細めては、「魔界にはないものばかりだな。…この果物、どんな味なんだ?」と独りごちる。


ジロウはそれぞれに寄り添い、リアナには髪飾り、リディアには栞、エレシアには珍しいフルーツの盛り合わせを手渡す。

エレシアは驚きと戸惑いが交じった顔。「……なんだこれは。私にくれるのか?」

「旅先の思い出って、意外とこういうのが一番残るんだよ」

「べ、べつに嬉しくなんか……ないこともない。お前、こういうの慣れてるな」エレシアは視線を逸らし、頬を染める。


途中、ミナトやリサ、シャルロッテとも合流し、みんなで食べ歩きをしたり路上パフォーマンスに見とれたり。

「これが普通の休日なんだな」とミナトが感心し、

「普通って、案外一番幸せなのかも」とリサも頷いた。


ふと、エレシアがそっとジロウの袖をつかむ。

「おい、ジロウ。…その、もう少しだけ町を案内しろ。別に迷子になりそうとかじゃないけど」

リアナが「ずるいー!私も一緒!」と割り込み、

リディアも「姉さん、空気読みましょう」と小声で諭す。

みんなで歩く道は、少し照れくさく、どこか温かかった。


買い物を終えた一行は町外れのカフェでひと休み。

「今日一日、すっごく楽しかったな!」とリアナが席に身を預ける。

リディアは新しい本をパラパラめくりながら「こういう休日も、悪くないですね」と微笑む。


ジロウが「これからも、みんなでいろんな町を歩こう」と言うと、

エレシアはカップを両手で包み、「……ふん。まあ、悪くはなかった。いや、けっこう好きだ。だが、また誘え。お前ひとりじゃどうせトラブルに巻き込まれるだろうしな」と視線をそらす。


シャルロッテが「次はお菓子巡りしましょう!」と盛り上げ、

リサも「カフェめぐりデート、いいですね」とほほえむ。


日が暮れ、ジロウが「さ、そろそろ帰るか。今夜は新しい食材でスペシャリテを考えよう」と立ち上がる。

リアナが「ジロウさん、どんな料理になるの?」とわくわく顔で問うと、

「帰ってからのお楽しみ」とジロウはにやり。


帰り道、エレシアがまたジロウのそばに寄る。

「……なあ、ジロウ。また一緒に出かけてもいいよな?」

ジロウは優しく微笑み、「もちろん、何度でも」と応える。

「そ、そうか。…お前がいないと、なんだか物足りないからな」とエレシアは小さな声でつぶやいた。


春の夕焼けの下、ヒロインたちとジロウは、ちょっとだけ心の距離を縮めながら店へと帰る――。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ