幕間:温泉旅行「湯けむりと微笑みのひととき」
翌日からは2連休。美食家の楽園は週休2日制でホワイトな職場をモットーにしている。スローライフにサビ残はNGだからね。
ジロウが「みんな、たまには羽を伸ばさないか?温泉宿を予約したぞ」と告げると、なんと王女達と勇者達も行きたいと言い出した。
リアナが「やったー!絶対に一番風呂!」と大はしゃぎ。
リディアは「転ばないように」と苦笑い。
秘湯と言った雰囲気の温泉宿に到着。箱根の強羅温泉を思い出すなあ。
女子達は浴衣に着替えてすぐに温泉に直行。
女湯は賑やかでかしましい声で満たされ始めた。
アリシアが「温泉って本当に癒されますね」とうっとりし、セシリアは「マリア、そんなに泳いじゃダメよ」と注意。
シャルロッテは「温泉、夢だったんです!」と大喜び。
リアナは「王女様たちとお風呂…不思議な感じだな」とこっそり緊張。
エレシアは湯船で静かに微笑んでいた。
そのまま露天風呂で恋バナタイム。
リサが「好きな人ってどんな人?」と皆に問いかける。
マリアは「私は自由な恋に憧れるわ」
セシリアは「心が通じ合う人が一番素敵」
リアナは「え、私は…ジロウさんみたいな…って、違う違う!」と慌て、皆にからかわれる。
リディアは「姉さん、顔が赤いですよ」と呆れる。
エレシアは湯けむり越しに「私も…もう少しだけ人を信じてみたい」と静かに呟く。
男湯では、ミナトが「ジロウさん、ヒロインたちに囲まれて羨ましいです」とぼやくと、ジロウは「俺も落ち着かないよ」と苦笑い。
「でもみんなで温泉なんて、いいもんだな」としみじみ。
夜は卓球大会に。アリシアが華麗なスマッシュを決めてみせ、マリアはサービスで大盛り上がり。
最後は湖畔でみんな並んで星を眺める。
ジロウが「こうしてみんなで過ごせるのが一番幸せだ」と言えば、アリシアが「本当に、これが私たちの居場所ね」と優しく返す。
*
翌朝、王女たちの帰りの馬車が町を出発する。
「ジロウさん、必ずまた来ます。…今度は自分で料理も作ってみたいです」とアリシアが微笑み、
マリアは「絶対また遊びに来ます!」と手を振る。
セシリアも「皆さまによろしくお伝えください」と名残惜しそうに言い、勇者たちも「また会おう!」と約束を交わす。
店先に残ったジロウは、
「さて、明日からも“美食家の楽園”だ」と、静かに店のドアを開けた――。