第十七章 王女の招待状と、王都スイーツ大作戦!
「――王女様より、特別招待状をお持ちしました」
森のカフェ《美食家の楽園》に、王都の特使が到着した。
「おお、来たか。……いや、もう少しのんびりしたかったなぁ」
ジロウは肩をすくめつつも、丁寧に招待状を受け取る。そこには丁寧な筆致でこう記されていた。
《王都にて開催予定の貴族交流晩餐会において、
ジロウ様に“王家特製スイーツ”を制作いただきたく、謹んでご招待申し上げます。》
第一王女 セシリア・リューシア・フォン・アルステラ
「貴族に振る舞うスイーツ? また一悶着ありそうね」
イヴァが不穏な気配を読み取りながら、ジロウの隣に立つ。
「うわあ……お菓子で戦争が起こるタイプのイベントですね」
リアナが頭を抱える。
「楽しそう」
リディアは即答した。
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王都・再会
王宮に到着したジロウ一行は、懐かしい面々と再会する。
「ジロウ様! ご無沙汰しております♪」
第一王女セシリアが満面の笑みで抱きついてくる。
「ちょっ……姉上! 王族の威厳が!」
第二王女ミレーヌがジロウの腕を引きはがそうとするも、彼女の手もぎゅっとジロウの袖を掴んでいた。
「――ふぅん、私たち抜きで楽しんでたのね。相応の“お詫びスイーツ”期待してるわよ?」
第三王女・クロエの表情はクールだが、目元には確かな笑みが宿っていた。
「……騒がしいのは相変わらずだな」
ジロウは小さく笑い、軽く会釈する。
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王家の依頼と対抗者の登場
「今回の晩餐会、王族主催ということで……我が王国を象徴する特別なスイーツを用意したいのです!」
セシリアは真剣な表情で続ける。
「テーマは“歴史と未来”。
過去の王国の誇りと、現代の自由と多様性を融合させた、新しい菓子を」
だが、その発表の直後――
「ふふ、なるほど。だが、私も負けるわけにはいかないわね」
現れたのは、王都随一のパティスリー令嬢にしてジロウの“元スイーツライバル”――
「フローラ・マルグリット・ド・シャルル!」
「また出たな……クリーム爆弾の女王」
ジロウがつぶやく。
「なにそれひどくない!?」
王家からの依頼を受けたジロウ VS プライド全開のフローラ。
晩餐会は、料理以上に火花の散る“菓子合戦”の場となる。
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開発開始!新たなる“王家スイーツ”
舞台は宮廷内の特設キッチン。
王女三姉妹は、思い出や王都の歴史、好みの味を語りながらジロウにヒントを与える。
「“王冠”の形を模したタルトってどうかしら?」
「中には三色のクリームで、姉妹の個性を表現して!」
「外は豪華に、中は素朴に。まさに“王家の表と裏”を描いてほしいわ!」
リディアがその場でレシピを記録、リアナはひたすら試食担当。
イヴァは、王宮内の古代レシピを研究して素材選定を進めていた。
「皆で作る菓子……これは、もはや戦じゃない。宴だ」
ジロウの言葉に、王女たちも微笑む。




