表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
[完結]破滅する推しの義妹に転生したので、悪役令嬢になって助けたいと思います。  作者: ru
番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

48/55

かくれんぼ

 

「どこへ行こうというのだね!」


 部屋にいたら、階下から、カイルの大声が聞こえた。

 少し楽しそうと言うか呆れている声だったので、マグノリアが何かしたのだろう。


「レオン! 匿って!」


 マグノリアが部屋に飛び込んできた。

 そして勝手にベッドに潜り込む。


 確かにこの部屋で隠れるとすると選択肢は少ないが、それにしてもそれはどうかと思う。


 脱ぎ散らかした靴をベッドの下に隠す。ついでにクッションやらシーツやらをいい感じにして、ぱっと見わからなくしてやった。


「レオン、こっちにマグノリアがこなかったか?」


 カイルが、こちらはちゃんとノックをしてから入ってきた。


「ノルマが終わっていないのにふざけた事を言うので探している」

「こっちには来てませんねえ」

「一応見させてもらうぞ」

「どうぞ」


 カーテンをめくり、クローゼットをあけ、机の下を覗き、ふとベッドに目を止める。

 が、さすがにそれは無いと思ったのか素通りする。


「何でかくれんぼしてるんですか?」

「10分以内に僕が見つけたら大人しく勉強する、見つけられなかったら今日は一緒に出かける、と一方的に言いだして逃げた」

「楽しそうですね」

「邪魔したな。他を探す」


 なんだかんだ付き合いがいい。


「行きましたよ」

「助かったー、これ以上は苦しかった」


 ヒョコっとベッドから顔を出す。

 目が合うと、誤魔化すようにえへへと笑った。


「咄嗟にやってから、これは見つかったら殺されると思って生きた心地がしなかったわ」


 わかっていたようでよかったが、もう少し反省してもらいたい。

 ベッドから降りようとするのを何気なく妨害して腰をおろす。


「少し静かに。カイルが戻ってきたかも」

「え」


 深刻そうに言うと俺の後ろに隠れたので、シーツでくるんで捕まえた。


「む!? むー!?」


 ジタバタしているがかわいいものだ。難なく片手で押さえてベッドに転がした。


「ちょっと、ほんとに苦しい!」


 顔だけ自由にしてやると真っ赤な顔が出てきた。


「狼の寝床から無事で帰れると思ってる?」


 結構頑張って男らしく言ったつもりだったのだが、マグノリアは一瞬、あちゃーやっちまったなーと言う顔をしてから、気を取り直してキリッと睨んだ。


「やめて」

「はい」


 言うことは聞く事にしている。

 大人しく離すとすごい勢いで逃げた。


「靴、ここです」

「ありがと」


 履かせてやろうとしたら、靴をひったくられた。

 少しは反省しただろうか。あまりしてない気がする。


「足音の方向からして、今ならカイルの部屋に潜り込めると思うんで、そっちのベッドに隠れてくださいよ」

「なななにいってるの!? そんな事出来るわけ無いじゃない!?」


 意味を理解していない訳ではなさそうだ。

 俺のベッドは何も気にせずに潜り込める場所である。安心安全を提供できているようなので、本望である。


「でも絶対見つからないと思いますよ」

「そ、それもそうね……」


 ソワソワしだしたマグノリアが、次は何をやるのか、そしてカイルがどんな顔をするのか、楽しみだ。

 今日は出かける事になるだろうから、そのつもりでいよう。


お読みいただきありがとうございます!!


評価の☆☆☆☆☆、ブクマ、いいね、ぽちっと押していただけますと大変励みになります。


前回ので下書きが無くなってしまったので、次はしばらく開くと思います。

また更新しますので、お待ちいただけたら嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
一番最初のセリフで某天空の城に出てくる大佐かな?って思い笑いました。 面白かったです!!
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ