干されている少年
これじゃあ、干物だぜ。
物干しざおに縛りつけられた俺は、穏やかな陽気にげんなりしていた。
これが夏ならもうとっくに俺は死んでいると思う。
ビバ、秋風。
だがしかし、いつまでもこうしている訳にはいかない。
もうすぐ夕方だ。
俺にはしなくてはいけないことがあるのだから。
「どう?少しは反省した?」
「沙希姉、いくらなんでもこんなところにつるし続けるなんて、そりゃないぜ、セニョリータ」
沙希姉は腕組みをしながら、俺の前に現れる。
沙希姉は顔も良ければ、スタイルもいいのだが、いかんせん性格が悪い。
ちょっとした事でこんな風なお仕置きをするなんて信じられないぜ。
性格さえよければ、今すぐにでも俺が抱いてやるのに、ジュテーム。
いつでもその組んだ腕に乗ったスイカのように熟れた胸を揉みしだいてやるぜ、ハニー。
「あんたがパンツめくりなんてするから悪いんでしょ」
「そんなの見たからっていっても減るもんじゃないし、いいだろ」
「そんなの扱いするなら見なきゃいいでしょ」
「そこは男のロマンだから・・・」
「何が男のロマンよ。ガキが何言ってんのよ」
「頼むよ〜、俺のも見せてやるから、許してくれよ〜」
「バ、バッカじゃないの!そんなの見ても嬉しくないわよ!」
頬を赤らめる沙希姉。
可愛い所あるじゃねえか、子猫ちゃん。
「何ならパンツの中身も見ていいからさ〜」
「何言ってんのよ!いい加減下品すぎるのよ!」
そう言って沙希姉は俺の股間を蹴りあげ、悶絶する俺を放って家の中へと消えていった。
男にしか分からない痛みなので、沙希姉は容赦という言葉を知らない。
もし子種ができなくなったら沙希姉に責任を取ってもらうしかない。
ヘッヘッヘッ。
沙希姉との新婚初夜を想像していると、あっという間に時間は過ぎ、いつもの時間がやってくる。
くっそ、今日も間に合わなかったか。
しかし、いずれ必ず!何故ならそれが男のロマンだから!!
ザパーン。
風呂場の方からお湯が音を立て、沙希姉の音痴な鼻歌が聞こえる。
あー、今日も沙希姉の風呂を覗けなかった・・・
夜の秋風はもう肌寒く、物干しに干されたままの俺の心をさらに物悲しくさせるのだった。
抹茶小豆先生
なんだか、なつかしい感じのする作品でした。
少年と沙希姉が見せ合いっこする日が、早く来るといいですね。