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秋の味覚

今日の晩御飯は秋刀魚だった。

私は秋刀魚の黒い所が苦手で、よく残す。

「おいしいのに」

そう言って、お母さんは私の分まで食べる。

お父さんと一緒にお酒を飲みながらだから、きっとお酒の肴だからおいしいのだ。

あの黒い所は、大人の食べ物なのだと思う。

旬のものだとしても、子供は子供の食べ物を食べるべきだと思う。

だから無理して食べることないと思う。

でも、秋の子供の食べ物って何だろう。

マツタケ?

柿かな?

梨だ。

梨はおいしい。

私は好き。

でも今は梨がないので、私はさつまいもを取り出した。

皮をむいて、適当な大きさに切る。

鍋に適度な量の油を入れて、砂糖と芋を入れて、一気に揚げ焼きする。

うちの作り方、お母さんに教えてもらった。

焦げないようにひっくり返して、出来上がった。

お皿に移して、爪楊枝を芋にさす。

そしてゴマを振った。

出来たては、熱くてはふはふ言いながら食べた。

表面はカリカリしていて、中はほくほくしている。

砂糖の甘みと、芋の甘みが口の中に広がる。

これぞ子供の食べ物だろうと、一人納得しているとお父さんがやってきた。

「おお、大学芋か。懐かしいな」

お父さんは、爪楊枝で芋を突き刺し、一気にほおばる。

案の定、熱くて一度口から出してしまう。

「お父さん、きたない」

「すまんすまん。いや、熱くてな」

その声を聞いてか、今度はお母さんまで来てしまう。

「あら、いい匂いね」

お母さんは熱さをものともせず、手づかみで芋をつまむ。

「結構おいしいじゃない」

そして、なかなかの評価を貰った。

一人分の夜食は、あっという間になくなってしまった。

私はおいしそうに食べる両親を見て、

(まだまだ子供だな)

そう思った。

まいまい@”先生


あぁ、自分も、梨が大好きです。

もうそろそろ、焼き芋の季節。

あぁ、今から、食べたくなってきます。


YAS先生


暖かい家族の一こま。とってもほっとする作品でした。

私も短編を書かせていただいていますので、こういうほっとする作品を読ませていただくと、大変参考になります。


私は、秋刀魚のあの黒い部分、血合いというようですが、嫌いではないですよ。

あ、酒の肴だから、ですね。納得。


神村律子先生


もうすっかり秋めいて来ましたね。

でもこのお話、いろいろ我慢してる私には酷です(泣)


河 美子先生


いい家族。こういうの好きです。大学芋、食べたくなりました。

食事風景って、ホームドラマに欠かせないように、向田邦子の小説でも必ず出てきます。読者が食べたくなるものを書くことができる人は、文章力のある人だと思います。今後も読ませていただきます。

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