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アノマロカリスは恋をする

まず初めに私、アノマロカリスの説明をするべきであろうか?

カンブリア紀、恐竜たちが闊歩していた時代よりも昔の時代。

ちょうど脊椎動物の祖であるといわれている、ミロクンミンギアが生まれた頃だ。

ミロクンミンギアを知らない?

ええい、ややこしい。

昔々のお話じゃ。

活動の拠点が陸上ではなく、海の中であった頃のお話。

私はいた。

はじめ人間が私の一部を化石として発見した時、エビの化石の一部だと思ったらしい。

そう思うのは不思議ではない。

何故なら私の体は少し変わっているからである。

私だけではない。

この時代に生きた生物は皆変わっている。

オパビニア、ハルキゲニア皆一様に変わっている。

変わった形をしているが、それを造形美と言うにはいささか問題がある。

我らの美しさは、例えるならば、ギリシャの洗練された彫刻のようなものではなく、

岩石のような荒々しい野暮ったい美しさなのだ。

そう、まだ彫刻される前の試作の時代である。

のちにカンブリア爆発と呼ばれる生物が多様化した時代である。

何故こんなにも多様化したのか?

その答えを私はこう考える。

男と女が生まれたからであると。

一般的にミジンコはメスだけである。

分裂して繁殖するものだと思われている。

しかし環境の変化によって、メスがオスに変わることがある。

これはミジンコだけに限ったことではない。

他の生き物にも見られる現象である。

私はカンブリア紀、もしくはその少し前に環境の変化から雌雄が生まれたと考えている。

だとしたら、カンブリア紀の海の中で、美しい求愛のダンスがおこなわれていたかもしれない。

もしかしたら、メスをめぐって激しい争い合いがあったかもしれない。

男女の情念はこの時より生まれたのだ。

そう、私は恋していたのだ。


「何これ?」

彼女は手紙を私に突き付けた。

「ラブレターだ」

私はきっぱりと答えた。

「はあ?こんな訳わかんないのが?」

「好きなんだ。付き合ってくれ」

「冗談。勘弁してよ」

そう、もしかしたらアノマロカリスもカンブリア紀の海で、私のように泣いたかもしれないのだ。

小林 太陽先生


最後,笑いました.

久々に….


栖坂月先生


うん、これは上手いですね。そして私好みです。

しかも、ただ面白いだけではなく、この短い文章の中にたくさんの知識が詰まっています。調べましたという程度では、なかなかこうはならないでしょう。

私も子供の頃は恐竜が大好きで、買ってもらった図鑑をボロボロになるまで読んだ憶えがあります。ダーウィンの進化論を知ったのは、小学生の頃でした。もちろん、当時はへーと思う程度でしかありませんでしたがね。

ただ、それからしばらくは恐竜や古代の生物からは離れていたのですが、この分野ってしばらく見ていないと常識がコロコロ変わったりするんですよね。当時の図鑑には載っていなかった恐竜が、結構ゴロゴロしていたりするんですよ。

大人になって驚いたものです。

ちなみにオスとメスの話ですが、私も支持したいですね。男という生き物が生まれたのは、多様性という戦略を獲得するための戦術だと思っています。聖書の上ではアダムからイブが作られたみたいな感じですが、オスからメスが派生するのは無理がありますね。何しろ、種としての男ってのは大して必要な存在ではありませんから。

実に楽しい作品でした。

また来ます。それでは


午雲先生


山羊ノ宮先生、アノマロカリス、読ませてもらいました。こう来ますか!?going my way・・・でも、ふつう撃沈するでしょうね(汗)。しかし、ミジンコの例から推すとオスは奇形?・・・なんだか複雑な気分です。どうなんでしょうね(苦笑)。感想でした。

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