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自殺志願者のアンデットライフ  作者: 柊 誠
第一章 死の変化
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第一章2 綺麗に終わるのは悪夢だけ①

その日のは雲ひとつない空だった。ミーンミーンミーンそんな蝉の音がなき止むことなくずっと続いていた。ふと前を向くとそこには小学生姿の二人の幼馴染が立っていた。葵と海斗である。

海斗はイケメンで正義感が人一倍強く、優等生でみんなと仲が良い、まるで僕と真逆のようなやつだった。葵は男の子のように髪が短かかったが、服装は女の子らしいピンクの服を着ていた。


「おーい祐也早く来いよー今から鬼決めるから」


「そうだよー早くきてよー」


二人にそう呼びかけられて僕は急いで彼らの方へ向かった。


「ごめんごめん少しぼーっとしてたわ」


「全く仕方のないやつだな罰として祐也が鬼な」


「えー、仕方ないわかったよー」


少し嫌な気持ちを顔に表したものの、祐也は鬼を引き受けることにした。かくれ鬼を開始すると僕は早速数を数え始めた。


「いーち、にー、さーん、よーん、ごー、ろーく、しーち、はーち、きゅー、じゅっ」


数え終えると同時に祐也は走り始めた。祐也達がよく遊んでいる公園はとても広く遊具や健康器具もたくさんあった。そのため、本来一人見つけるのにも結構時間がかかる。けど祐也は何度もこの公園で遊んでいたため、大体二人がどこに隠れに行ったかは大体わかっている。海斗は足が速いため、祐也はひとまず葵から捕まえることにした。そうして、葵がいつも隠れている場所の一つである滑り台の後ろまでいくと、いつも葵を小学校でいじめている3人の男子が葵を囲んでいるのが見えた。


「お前なんでそんな男みたいな髪型して、女の服着てるんだ?笑」


葵を馬鹿にしている。3人の声が僕の耳にも聞こえた。葵は外で遊ぶのが好きなため邪魔にならないよう髪を切っているだけなのにそれを馬鹿にしているあの3人に怒りを覚えた。それでも祐也は弱虫で心では助けに行こうと思っても体が言うことを聞かず、葵の方へ一歩踏み出すことができなかった。そのかわり祐也はその臆病な足で後ろを振り向き海斗に助けを求めに走り出した。


「海斗大変だ..はぁはぁ」


「おいおいどうしたどうしたそれも捕まえるための演技か?」


かくれ鬼の最中だったため、そう言って茶化してきた海斗だったが僕の真面目な顔を見ると何かを察したように先ほどまで笑っていた顔が一気に真剣な顔になった。


「葵がいつもの3人にいじめられてるんだ助けてくれ」


「!?葵は今どこにいる?」


「葵がよく隠れている滑り台の後ろのところ」


それを聞くと海斗は一目散に走っていった。彼はマラソン大会や運動会でも一位をとるくらい早いため、すぐに僕との距離を離していった。僕は海斗の方まで走るので体力を使っていたこともあり、かなり遅いペースで海斗の後ろを走っていった。葵のところに着くとすでに海斗も葵をいじめていた3人もいなかった。


「えーん、うぇーん」


「あれ海斗は?さっき来なかった?」


「えーん、うぇーん」


祐也が聞いても葵はずっと泣いたままで答えてくれなかった。


「葵そんなに泣かないでほら、葵確か前可愛いお嫁さんになりたいって言ってたよね。可愛いお嫁さんになるには常に笑顔でいなきゃ!だからもう泣かないで」


その時の僕は焦ってよくわからないことを言っていた。

それでも葵はわかってくれたようで頷いて涙を拭い始めていた。


「そうよ、私は可愛いお嫁さんになるの!だからもう泣いたりなんてしないんだから!」


涙を吹いた彼女の顔は頬を赤らめ、恥ずかしがってているようでとても可愛く、正直自分を婿にしてくれっていいそうになっていた。

そんな話をしていると、向こうから海斗が帰ってきた。


「おい海斗どうしたんだよその傷」


海斗の来ているタンクトップから出ている腕には所々痣ができていた。


「へーきへーきあいつら追いかけてたら転んじゃっただけだから」


その時の海斗はいつもと同じ笑顔で話していた。きっと3人のせいで怪我をしたと言ったら葵が責任を感じるだろうと思って嘘をついたなのだ。


「じゃあかくれ鬼再開しますか!次は俺が鬼をやるよ!」


元気よくそう言って場を和ませた海斗は俺の方を向き小声で


「次は守ってやれよ」


と囁いてきた。


バシャ


水をかけられた衝撃で目が覚めた。


「グッドモーニング」


目を開けるとそこには悪夢だと思いたかった現実が広がっていた。昨日の男が錆びついた大きなハサミを持って僕の前に立っていたのである。


「さぁ今日も一日遊ぶわよ〜♪」


そう言って男は気味が悪いぐらい長い舌で自身の唇を舐めた。


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