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初日の終わりと狩り

連投します。

今回はソフィア目線でいきます。

―ソフィアside―


「リアム君,私たちは最初にどこに向かいますか?」

歩き出してから数時間,私はリアム君に尋ねました。相も変わらずの見渡す限りの草原のどかで,時間を忘れてしまいそうです。


とはいえ,そろそろ野営の方も考えないといけませんし,野営地も考えどころです。


「最初は学の国に行こうと思ってる。」

「へえ、それはなんで?」

リアム君の言葉に鈴音さんが首を横に倒しながら尋ねます。ほんとに可愛いですね。あのサラサラな髪を撫でまわしたいです。

「なんでだと思う?」

「知らないから聞いてるんじゃない!クロエ,分かる?」


「確証は持てないのだけれど,人口,かしら?」

クロエさんは本当に頭の回転が早い方です。それに大人っぽくて,いつも見とれてしまいます。

「その通りです,クロエさん。仮説ですが,学の国ではその秀でた学力から,医療技術が発展していて,その分人口や文化も進んでいると考えられます。なので情報も集まりやすいかと。」

「そう,ありがとう。」

素っ気ない返事に隠れる感謝の気持ちがたまりません。


「でもよ,リアム,道,合ってんのか?」

「あっている・・・はずだ。」

「なんじゃそりゃ。確信持てないなんて珍しいじゃん。」

飛鳥君,その疑問は当然だと思います。だって・・・


「だってよ,見ろ!この地図!!オリバーが持たせてくれた荷物に入っていたんだがな!?分かりにくいんだよ!!」

リアム君がそう言い,その手に持つ地図に皆さんが寄って,覗き込みます。





                  魔

                  ↑


                俺らのとこ


          ↓               ↓

        学 ←               → 妖


たったこれだけが書いてあるのです。詳細が分かるはずないでしょう。


「一応,この地図の上,魔の国の方角が北ならば,今進んでいるのは南西の方,学の国に行くには合っているはずなんだ。」

「これは・・・進むしかないね。」

ノア君が困ったように笑いながらそう言います。可愛い。ではなくて,


「そろそろ野営の準備にしませんか?日も暮れてきてしまいます。」

「そうだな。今日はこの辺にしよう。」

「んじゃ,オレは適当に場所探してくるわ。」

飛鳥君がそう言ってどこかへ行きました。



「テント張れたよー。」

「火の準備もオッケー。」

「「「・・・飯は??」」」

リアム君,飛鳥君,鈴音さんがそう聞きます。確かに,食材の確保を忘れていましたね。


「保存食ならありますが・・・」

「やだ,やだ!!お肉食べたい!!」

「鈴音,わがままを言わないの。」

「でも,元気でない・・・」

途端に退行を始める鈴音さんをクロエさんが抱き寄せながらなだめます。私がやると怒られるんですよね,理由は教えてくれませんが・・・


突然,鈴音さんの雰囲気が変わりました。

「飛鳥,あっちの方,よく見て!!」

「見えねえよ,夜だよ。」

「変化して見ろって言ってんでしょ!!」

鈴音さん,不機嫌ですね。お腹すいてるんでしょうか。嘘です。鈴音さんは誰よりも耳がいい。おそらく,何かが来ているのでしょう。


リアム君,ノア君も雰囲気が変わりました。

「分かったよ・・・妖変化!(ガット)!!」


飛鳥君がそう言った途端に飛鳥君が光を纏います。それが途切れた瞬間,


飛鳥君がいたところには小さな黒猫が・・


「か,可愛いです!抱っこ,抱っこしてもいいですか??」

我慢できませんでした。飛鳥君のもとに行き,胸に抱えます。ああ、毛並みも柔らかくて気持ちいいです。


「って,そんなことしてる場合じゃないでしょ!!ソフィア,向こうを向いて!!」

鈴音さんの指さす方向を向くと,


「まずい,鳥の,魔物??数は,8,9,・・11匹か!」

「飛鳥!距離は??」

「どんどん近づいてくる,20秒くらいだと思う。

 ・・・なぁ,リアム,魔物ってさ,食える??」

「・・・むしろ獰猛で活発な分,身がしまっていてうまいらしいぞ。」

リアム君と鈴音さん,飛鳥君,が笑みを浮かべます。考えていることは解りますが,本気でしょうか。


「「「夕食だ!!!」」」


「そうと決まれば話は早い。ソフィア,お前は弓で3匹落とせ,オレは1匹やる。俺らが打ち終わった瞬間に飛鳥,鈴音4匹頼む,したらクロエ,雷系で残りを落としてくれ!俺が落ちて生き残ったやつをやる。」


「あれ?リアム君??僕は??」

「お前は火系だろ?焦がすから待機!いや,薪に火をつけとけ!

 うし,みんな,やんぞ!!」


リアム君の言葉に私は渋々,渋々飛鳥君を放し,弓をつがえます。


「「妖変化!(ファルコ)!!」」

そう言った途端に飛鳥君,鈴音さんが鷹に変わりました。凛々しくて素敵ですね。おっと,見とれて照準がずれそうです。


私からも魔物が見えてきました。あまり大きくありませんね。

「リアム君,行きますよ?」

「ああ,今!!」

その言葉によって私は瞬時に3本の弓を連射します。リアム君は1本を。接近戦ではリアム君が秀でますが,後方なら私が得意としてます。


私が放った矢のうち,2本は魔物の頭部に当たりましたが,1本は翼でした。頭部に当たった魔物は即死でしょう。翼に当たった魔物も錐揉みしながら落ちていきます。リアム君は正確に頭部に当ててますね。


「飛鳥君,鈴音さん,これ。」

「サンキュ。」「ありがとう。」

ノア君が渡したのは小刀。飛鳥君と鈴音さんは足に持つと,


「「肉~~~!!!」」

と言って飛び立ちました。魔物の倍くらいの速さで動いている気がします。そうしてすぐに魔物の上に行き,制空権を確保すると,


「急・降・下!」

「あ~んど,急・上・昇!」

そう言って縦横無尽に飛び回り,魔物とすれ違うたびにその首元に小刀を走らせていきます。


「飛鳥,鈴音!離れろ!!」

「イメージは確実。さあ,落ちなさい!レイ!!」

2匹(人?)が離れたと同時にクロエさんが光線を魔物に落とします。

魔物はなすすべもなく,落ちていきました。


「「解除。」」

そう言うと飛鳥君と鈴音さんが元の姿に戻りました。ああ,触りたかった・・・


「うっしゃあ!飯だ!!」


そうして嬉しそうに火の元に戻ると,寂しそうに膝を抱えてすわるノア君の姿が。

「いいなぁ,みんな,協力して,楽しそうで,いいなぁ。」

「「ほんとごめん!!」」

「別に僕,火以外も魔法使えるんだけどなぁ,リアム君?」


その日の夕食はノア君は1匹分多く食べていました。



読んでくださりありがとうございました。

本日はここまでで,ペースはバラバラですが、週一以上で投稿していきます。

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