チュートリアル 2
連投です。よろしくお願いします。
5―ノアside―
勝負はほんとに一瞬だった。飛鳥君が僕を,リアム君が僕に向かってくる飛鳥君に向かって,そして僕はリアム君に向かって攻撃をかけた,んだけど,後はもう覚えてない。
気付いたら2人がうつぶせに倒れていて,僕が立ってた。
「はぁ,疲れた・・・久々に勝てたなぁ。」
「お疲れさま。」
「クロエさん,ありがとう。」
クロエさんは僕より背が高いけど,ちゃんと1人前の男として扱ってくれる。
鈴音さんとソフィアさんもこっちに向かって歩いてくる。ちょうどいいや,ソフィアさんになぜ僕たちが戦ったのか,なんとなくわかったから,聞いてみよう。
「―――はい,その通りです。その三すくみが体感できるので,リアム君は戦ってみたのだと思います。」
「あー,ただ戦いたかっただけの気もするけど・・・」
「あ,あはは。」
ソフィアさんが目をそらす。やっぱりね,リアム君は人と競うのが好きだもんね。
「飛鳥,あーすか,起きなさい。おーきーなーさーい。」
鈴音さん,起きないからって足蹴にするのは良くないと思う。
「う・・ん?いてぇ!?いてえ!なんだよ!」
「ほら,飛鳥,行くわよ。リアムも起きてんだから,早く準備しなさい!」
あれ,リアム君いつの間に起きてたんだろう。・・・なんで頭抑えながらソフィアさんを見ているんだろう。
「・・・まぁいいか。じゃあ,みんな行くか!」
リアム君の言葉にみんな歩き出す。あれ?何か忘れているような気がする・・・
「ちょっと待て!説明は??」
そうだった。
「あ,うちとクロエはソフィアに聞いたわ。だからもう大丈夫よ。」
「俺が大丈夫じゃない!ノアもそうだろ?」
「ごめん飛鳥君。僕もソフィアさんに聞いた。」
「嘘だろ?え?これ説明されないやつ??おい,リアム,リアム!!」
「ったく,しょうがねえな,一回だけ話すからな?覚えろよ??」
リアム君はそう言って飛鳥君の方に向き直り,
基礎的な能力が一緒である場合,基本的に1対1なら妖は魔に,魔は学に,学は妖に強い。つまりは三すくみになっているのである。
妖は変化を使い,その爆発的な身体能力を用いた戦闘を,
学は知識と知恵を活用した予測や効率による戦闘を,
魔は魔法や魔術を用いた遠距離を主とした戦闘を得意とする。
しかし,もしそれぞれの国が他の国の存在を知り,敵国として認定し,何かしらの対応を取ったら,
そしてその対応が上手くいき,三すくみが崩れた場合,2つの国は滅亡を迎える可能性が高い。調律者の役目は3つの国のバランスを取ることである。
その為にオレたちはそれぞれの国を見て回り,必要とあらば何かの対策をしなければならないのだ。
「―てことだ,分かったか?」
「・・・ギリ!」
正直この旅は前途多難だと思う。
読んでいただきありがとうございました。




