はじまりのとき
初投稿です。不慣れな点等ありましたら,ご指摘よろしくお願いいたします。
※
落ちる,落ちる,落ちていく・・・
どこまでも深く,いつまでも・・・
落ちていくなかで,6人の姿は円となり,輪となる・・・
落ちる,落ちる,落ちていく・・・
どこまでも深く,いつまでも・・・
その6人の表情は安らかで,穏やかで・・・
・・・決意と覚悟の灯を瞳に宿して・・・
未来への「希望」を抱いて・・・
※
はじまり―飛鳥side―
「外に出たい。」
いつもと変わらない昼,オレ―稲上飛鳥―はそう言った。
暇だ,退屈だ。何か刺激がほしい。
「また言ってるよ。飛鳥,お前最近毎日言ってないか?」
その呟きを聞いたリアム―濃い青の短髪に眼鏡をかけた,一見落ち着いた印象のある男―がそう言い返してくる。
「だってよ,リア,お前も出たいと思わね?こんなド田舎で,学校には6人だけ,てか9人しかこの辺一帯に住んでねえじゃん。」
リアは絶対そう思っている。なんとなくだが分かる。それにこいつは頭はいいが,戦うことが大好きな奴だ。
おそらくリアだけなら外に連れ出せる。
だけど
「まあ飛鳥の言うことも分かるよ。この辺何もないもんね。」
そう。
このノア―赤っぽい黄色の長い髪を後ろでまとめた穏やかな男―は基本的に臆病だ。それがいい所でもあるが,ノアのせいで大胆な行動に出れない。
調子に乗ると告げ口されてしまう。
「まーた始まったよ,飛鳥の外に出たい発言。」
「相変わらずですね。」
「懲りないわね。」
教室の後ろの方にいた女子3人がそう言う。発言の順番に,鈴,ソフィ,クロエである。鈴―赤羽鈴音,は腰まで届く黒髪が特徴で背は小さめ―は相変わらず小さ
「飛鳥?」
…こいつは人の心を読めると思う。オレがサイズのことを考えると絶対にらまれる。目つきも鋭いから怖い。
ソフィ―ソフィア,は本人曰く色はカーキ色,の髪をアップにして後ろでまとめている―はおっとりとした子だ。背もそんなに大きくないが,胸はでか
「あーすか?」
…鈴は本当に心が読めると思う。
で,最後はクロエ―肩に届かないくらいの白色の髪をもつ―だが,こいつはノアより大きい,リアムにも届きそうだ。
「い、いや,鈴,お前もそう思わねえか?暇だろ?毎日退屈だろ?」
「それはそうだけど・・・でも勉強に運動に魔物退治にってやることいろいろあるじゃない。」
「勉強って,お前しねえじゃん,バカじゃ・・ぐは!?」
「バカにバカって言われたくないわよ!」
事実なのにひどいと思う。まぁ確かにオレの方がバカなのだが,鈴とそういう関わりをすると場が和むから仕方なくやっている。・・・決して殴られて喜んではない。
ふと,鈴が教室のドアを見る。そして,ガラガラっとドアが開くと,
「はいみなさ~~ん,席に着いて・・・て、きゃあ!!」
盛大に机や椅子を巻き込み,転んだのはルイーズ先生―赤茶色の髪をボブにしている―である。この先生すごいドジだ。いつでもどこでも転んでいるイメージしかない。
なんで先生は物を巻き込んで転んでも,物が転ぶ前の位置に戻っているのだろう。
しかも傷一つつかないんだけど。ルイーズ先生は何食わぬ顔で教卓まで歩くと
「痛かったです。」
と言った。
(((いやいや,無傷無傷!!!)))あ,みんな思ってるなこれ。
「いや先生,無傷じゃないっす「痛かったです。」・・・だ,大丈夫ですか…?」
「はい,心配してくれてありがとう。リアム君は優しいですね。」
「別に心配なんて・・・あ,めっちゃ心配でした!!」
・・・正直,リアムもオレに負けず劣らず失言多いと思う。
そんな話をしていると,もう2人,オリバー先生―グレーの髪をきちっとまとめた,軽薄そうに笑う男性―と稲葉先生―新緑の髪をベリーショートにした女性が来ていた。
「よっす,今日もかわいいね,鈴音ちゃん,ソフィアちゃん,クロエちゃん,オレとデートしな…ぐは!??」
「その口閉じてください,80年くらい。」
「え?俺死ぬまで話せないけど??」
「・・・」
「はい出たよ,すーぐ無視する。ま,そういうところも美し・・・すみません,黙ります。」
・・・正直,オリバー先生が一番ひどいと思う。
「3人が一緒に教室に来るなんて珍しいですね。」
クロエがそう尋ねる。確かに,先生たちは基本的に1人ずつでしか見ないな。
「そりゃもちろんかわいこちゃんたちを「黙れ。」俺先生だけど!??」
「オリバー先生じゃなくて,夕夏先生に聞いてます。」
「あれ,私は?」
ルイーズ先生は基本がポンコツだから頼られないんだと・・・おや,寒気がするなぁ・・・
オリバーが黙り,ルイーズが悲しそうな顔をしたのを見届けてから,夕夏は口を開いた。
どのぐらいの文量が適量なのか,難しいです。
読んでいただき,ありがとうございました!
文章を三人称から一人称に変えました。