恋人になりたい
エミsideです。付き合う前の話です。
気になる男の子がいる。
彼は周りの大学生とは違って大人だ。けれどすこし抜けたところもありそこがまたかわいい。
そんな彼を好きになるのに時間はかからなかった。けれどそこからが問題である。
私が彼と付き合いたいと思うようになってから二か月。
それからは一向に関係が進まない。どうしてだろう。
そこで大学に入学してすぐに仲良くなり今や10年来の友人ではないかと錯覚するほどの友人であるケイちゃんに相談してみた。
「神田君との関係がなかなか進まない」
単刀直入にそう告げた。
「なんか意外だな。エミからそんな相談受けるなんて」
彼女はドリンクのストローをくわえながらしゃべっている。相談に乗る気あるんだろうか。
「だって本当に全然進まないんだもん」
「別に男と付き合うの初めてじゃないでしょ?」
「まあそうだけど」
「ならあんたから告白したらいいじゃない」
最もなことを言われた。
「でもやっぱり男のほうから言ってほしいじゃない?」
「何いってるんだか。シンデレラじゃあるまいし」
「知り合ってから結構経ってるし、最近はよく二人で出かけるようになったからそろそろ告白してくれないかなーって期待するくらいいいじゃない」
「そんなこと言ってるうちに他の子に取られるかもよ」
「それはいやかも。よし分かった、じゃああと一か月経っても告白されなければ私からする!」
「そうだね、もし向こうが告白する気ないんだったらそのほうがいいね」
ケイちゃんと話していると自分の周りのことがよく見える。彼女は私の頭の中を整理してくれているみたいだ。さっきは失礼なことを考えてごめん。
そんなこんなでケイちゃんとの作戦会議は終了した。
そしてそれから一か月、特に神田君からのアクションはなかったので私から告白し晴れて恋人同士になることができた。
ケイちゃんは相談されやすい女の子です。