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倦怠期?

そんなに長くはならない予定です。

特に山あり谷ありでもないですがそれでも良ければどうぞ。

「好きです」


 目の前にいるのは最近よく一緒にいる女の子だ。

「俺も好きだよ」


 俺に告白をした女の子エミは俺の言葉を聞いて少し安堵したように見える。

 俺は人を本気で好きになったことがないと思う。どれくらいから好きといえるのかもわからない。人を好きと口に出したことは小学校の時ぐらいだ。だが、小学生のころなんてよくわからないうちに好きとか嫌いとか思う頃だしこれはカウントには入らないだろう。しかも好きになったきっかけが転校してきたからという今考えてもよくわからない理由だからだ。

 小・中・高とそれなりの人付き合いをして特に山あり谷ありといえるような半生ではないことに気づいた。

 そんな平均以下の思春期を送ってきた俺は大学生になった今ふと考えた。いまだに彼女いないとかどこかに難があるからとか周りに思われないだろうか。そんな風に考えるようになった。そしてある程度女性と交流を持つようにして気の合いそうな人を探し何度か遊びに行くようになって3か月、彼女ができた。


 彼女ができてから1か月、特に今までと変わらなかった。強いて言うなら周りにからかわれるぐらいだ。

 まだそんなに時間も経っていないからか特に喧嘩やすれ違いなどもなく彼女との仲は良好である。


 彼女ができてから3か月、互いの家によく行き来するようになった。お互い一人暮らしのため親の目を気にする必要もないのでどちらかの家でよく過ごすようになった。


 彼女ができてから半年、彼女からのボディタッチが増えたように感じる。俺たちも周りからはラブラブバカップルに見えるのだろうか。


 彼女ができてから1年、ついにこの時がきたか。

 そうたぶんこれは倦怠期というやつではなかろうか。彼女が冷たくなったように感じる。一緒にいても心だけはどこかに置いてきてしまったかのような反応。このままでは別れることになってしまうのではないかと危惧した俺はさっそく行動に移した。

 まず、友人に相談だ。俺にはまともに友人と呼べる人がいないので彼女の友人であるケイちゃんに相談してみた。彼女がそう呼んでるので俺も同じように呼んでいるが実はちゃんとフルネームを覚えていない。そんなこんなでなんかよさげな喫茶店にケイちゃんを召還した。






「倦怠期かもしれないんだ」

 単刀直入に俺はケイちゃんにそう告げた。

 少し驚いたような反応をした後にケイちゃんは少し笑った。

「神田君からそんな言葉が聞けるなんて思わなかったなー」

 神田というのは俺の名前である。

「それに私に相談に来るとは思わなかったな」

「まあ、俺には他に相談できるような相手もいなかったので」

「あーなるほどそういことね」

ケイちゃんは納得したようだ。

「で、ケイちゃんから見て俺たちはどう見える?」

「んー別に普通じゃない?」

「普通かー」

「あの子と何かあったの?」

「いやー、何かあったってわけでもないんだけど最近エミが冷たい気がするんだ」

ケイちゃんは少し考えたかと思ったら店員を呼んだ。どうやら考えていたのはメニューのことだったみたいだ。

「あの子のことだしどうせ生理とか、あとなんとなくテンションが上がんない周期とかそんな理由でしょ」

「そうかなーじゃあもう少し様子を見てみるよ。一応エミのこと気にしておいてくれる?」

「はいはーい、了解」

そんなこんなでケイちゃんとの第一回作戦会議は終了した。




家で一人になると余計に不安になってきた。ケイちゃんはああ言っていたが本当にそんな理由なんだろうか。確かに気分が乗らないときもあるだろうが一年も交際していたのだから少しくらいエミのことはわかっているつもりだ。どんな時に怒り、どんな時に笑い、どんな時に泣くのか。彼女と過ごしてきて今までこんなことはなかった。確かに喧嘩したときなんかは多少素っ気ないということもあったが最近のエミはどうもそんな感じではない。

それに俺も最近はエミといるのが少し気まずい。別に何があったわけでもないが彼女を目の前にするとなんだか落ち着かないのだ。早く以前のような関係に戻りたいものだがどうなることやら。


それからの一か月も同じように気まずい状態が続きまたまたケイちゃんを以前利用した喫茶店に召還した。


「やっぱり、生理とか、テンションが上がらない周期とかじゃなくない?なんだか長い気がするんだけど」

「んー」

ケイちゃんは考えるふりをしたかと思えば店員を呼んだ。

「君はエミとよく一緒にいると思うんだけど何か言ってない?」

「いやー特に何も、あの子そういうことはあまり喋らないし。あと私もあまり聞かないし」

ケイちゃん割と頼りにならないんじゃないかと思えてきた。

「なんだかなー」

「原因は何かわかる?」

「それが分かったら苦労しないよ」

「じゃあもう一回自分の胸に手を当てて考えてみたら?案外些細なことかもしれないよ?あとは思い切ってエミにきいてみるとか。あんた達って二人ともあんまり喋るタイプじゃないし不満とかあっても言わないで溜めることが多いと思うからさ。腹割って話してみな」

なんかテキトーな人かと思っていたら案外ケイちゃんはいい人なのかもしれない。特に仲がいいわけでもない俺の相談に乗ってくれるし。さっき頼りにならないとか思ってごめんなさい。


「そうだね。一度エミと話してみるよ」


こうして第二回作戦会議は終わった。




まともに彼女のエミが登場してませんが次回はきっと登場するはず…。

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