表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/150

聞かない方がいい事もある

キリが悪いのでちょっと短いです。

 ガラガラ……


 馬車ってめっちゃ揺れるんだね。お尻が痛い。そろそろ移動し始めて1時間くらい経つ。旅路は私の尻事情さえ除けば順調そうに見える。


 馬車は大きさで言うと5畳分くらいの広さの幌馬車で、私とフィントは馬車の操縦席に掛けている。で、他は中に入っている。私は隣で馬を操るオッサン1号、フィントを眺める。


 今更だけどこの馬車何を運んでるんだろ。確か商品も無事だ、って言ってたから何か売り物を運んでるのは分かる。でもこんな一見ヤーさんの輩が護衛付きで運ぶのってなかなかに怪しいよな。


 やっぱり非合法な薬物とかかな……。

 や、中身は気のいいオッサンらだとは分かってるけどさ。うん、それとこれとは別だろ。


「フィントさん、この馬車って何を運んでるんすか?」


 てなわけで率直に聞いてみることにした。


 するとフィントが若干悪そうな顔をした。あ、これはアレかな。


「やっぱり、やくっすか?」

「やく?あ、薬草のことか?おめぇさんほんと頭の中薬草のことしか考えてねぇのな」


 失礼な。んなわけねーだろ!

 だからその残念な子を見る目を止めろ!


 って言いたいけど、ぐっと我慢した。


「薬草ってのは行商なら持ってて売ってるかもしれねぇけど、俺らはそんなもん運んじゃいねぇさ」

「行商じゃないんだ?」


 まあ、ただの商売人には見えないよねー。


「あぁ、おめぇさんにゃ興味はないかも知れねぇが、この馬車で運んでんのは、奴隷さ」


 予想のはるか斜め上キターーー。


 私は反応に困って、でもまあ納得した。

 だって明らかにこの人ら、やばそうなことしてそうだもんな。やってることと性格ってのは必ずしも一致しない。


「そうなんすね。まあ、納得っす」


 それにしてもこの国というか世界は奴隷制度があったんだな。何となくいそうだなーとかは思ってたけどさ、こんな初期にそれ関係に直面するとは思わなかったぞ。

 フィントは面白そうに私の顔を見て、豪快に笑った。


 何だよ、いきなり大声で笑うなよ。


「おめぇさん、俺が思ってたより反応薄いなぁ!亜人や獣人の奴隷売買は禁止されちゃいねぇが、一応嫌悪されてんだぜ?」


 へー、そうなんだ。

 でも、私には正直関係ないしねぇ。それより何より実感が沸かないというか。


 てか亜人て何だ?聞いちゃダメそうだなー、世界の常識の範囲は聞かない方が変に怪しまれないだろう。


「まあ、自分にあんま関係ないですからね。それに、禁止されてないなら、それなりの理由もあるんでしょうし」

「はっはっは。おい、聞いたかノズ兄貴!俺はこいつを頭に会わせるぜ」

「あぁ聞こえてた。俺も同感だぜ!」


 と、幌馬車の中から野太いノズの声が応えた。


 はー?何言ってんのこいつら。言外に関係ないからどうでもいいって言ったんだよ?


 あれか、関係ないなら関係もたせましょうとかいう、新手の嫌がらせか。


「さっきも言いましたが、私、結構旅路を急ぎたいんですけど……」

「おめぇさん、どうせ知らないだろうから教えてやるけどよ、ジバルは世界一の犯罪都市だぜ?いくら強かろうと丸腰でうろちょろするなんざ、誰かの庇護下じゃなきゃ半日無事でいれる保証はねぇ」

「……ふむ」


 でもなー、奴隷商の庇護下って、勇者としてどうなんだよ?奴隷連れた一見ヤバイコイツらが向かうジバルって街が、ヤバイ奴らの巣窟ってのは分かるけどさぁ?


「あとよ、頭なら葉巻の入手場所も知ってるぜ?」

「是非とも会わせていただきたいですね!」


 脊髄反射で口から言葉が発射されました。食とタバコ、これに関してはもはや誰にも止められないのですよ?


 そうして向かった先が、私の、いや、世界の今後を左右する大きなターニングポイントだった。

※修正 空欄作りました

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ