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タバコは消息不明らしい

予約投稿ミスって昨日アップされてませんでした。すみません。

「美味しかったす!タダンさん、ありがとうございます!!」

「おめぇさん気持ちいいくらいよく食うなぁ!作りがいがあるってもんさ」


 私は2回くらいお代わりしたのもあり、タダンが嬉しそうに顔を綻ばせている。


「俺達と同じくらい食ってんじゃねぇか。おめぇさん、スタミナ値でけぇだろ」

「そんなことないすよ、ノズさんたちのがかなり食べてましたよね。スタミナ値は他人と比べたことないから知らないすけど」


 私を褒めて(?)くるこの巨神兵共もなかなかに良く食う連中だった。私がブラウンウルフ1kgくらい食べてるとしたら、こいつらは2~3kgは食べていたはずだ。


 それにしても、やっぱり同じ釜ではなくても一緒に飯を食うと仲良くなれるもんだ。


 主にこの部位が美味しいとか、この筋はこうやってカットするとかいうタダンさんの料理法伝授だったんだけどね。今度やってみよう。その前にナイフが要るけどね。


 てなわけで仲良くなってみると思うことだけど、人を見た目で判断しちゃいけないね。なかなかに優しい奴らではないか。第一印象から大いに変化しました。

 ほら、この人たち目とか澄んで見えなくもないし?ま、人生経験の浅い私が判断できる訳じゃないけどね。


 で、安心してしまったので、つい食後の一服をスムーズに始めてしまった。


 タバコに火をつけてから、在庫が限られてることを思い出したんだけど、吸い始めたのなら吸いきっちゃいましょうとすぐに諦めた。

 習慣だからね、仕方ない。


 流石に即禁煙は無理がある。この世界でタバコ見つけるまでは徐々に減らしていくスタイルでいこう。

 そう自分の中で割り切って、味わうように深く吸い込んで長く吐き出した。


 あー、美味いよー。禁煙無理だよー。なんとしてもこの世界のタバコ見つけなきゃー!


 と、ここで何故か巨神兵共が不思議なものを見るように目を丸くして私を見つめているのに気づいた。


 え、え、何?何かあった?


「カナメ、そいつぁ何だ?」


 巨神兵どもの疑問を表したのはフィントらしい。その質問に3人とも不思議なものを見る目のまま頷いてきた。


「え、タバコだよ」


 もしかして、と嫌な予感が頭に浮かびかけて思考をストップさせた。


 そ、そんなことないはず!


「たばこ?」


 でもフィントもその他3人も相変わらずクエスチョンマークを頭に浮かべている。


「マジか、……タバコだよ!?ここってないの?特別な葉っぱを乾燥させて何か紙みたいなので包んだ奴だよ。葉巻とかさ……」


 100歩譲って葉巻!それがあればタバコに成りうる木はあるってことだからね。何とかなるかもしれん。


 思わず敬語忘れちゃって素で聞いてしまったけど正直、そんなのどうでもいいレベルだよ。タバコないと私マジでこの世界で生きていけないからね?!


 ご理解いただけるでしょうか。

 富士山の頂上を酸素ボンベなしに全力疾走を強要される状態。もしくは深海に酸素ボンベ無しに放り出される状態。


 それがタバコのない未来に生きる私だ!これは死活問題である!


「葉巻……確かお頭とかが時々吸ってたような……」

「おお!あるんだ!はー、良かったー!!」


 セーフ!!生きる希望があった!


 私があからさまにホッとしてるのを見てノズが苦笑いしてくる。


「草が好きってのは嘘じゃなさそうだな。そいつぁそんなうめぇのかい?」


 あ、やっぱり薬草探しって疑われてたんだね。結構すんなり信じてきたからどうなんだろうとは思ってたんだけど。

 まあ、これで信じてくれるならそれに越したことは無い。


 しょうがない、餞別として貴重な貴重なタバコを一本だけくれてやろうじゃないか。


「ここにタバコがないならあんまりあげたくないんすけど……ほら、火つけるから吸ってみてください」


 と、タバコを咥えさせるとライターに火をともした。

 でもノズはライターの火にびっくりしたらしくタバコを落として顔を仰け反らせた。何やってんだ、こいつ。貴重なタバコを……。


「な、何でぇ、その箱は!魔法具か?!」

「んなわけねーだろ。ただ燃えやすい液体入れれてるから火種を元に火がつくだけだよ、見りゃわかるじゃん……あ」


 いかん、素で返事してしまった。

 でもオッサン達は私の返答には特に何も感じていないらしい。ライターの方に気を取られている。セーフ……。


 それにしてもこいつらはライターも知らんらしい。てかこの世界は魔法的なファンタジーだから科学がないのか。ま、私はそこまで頭は良くないので、だから何だって話だけど、ライター大切に使うしかないね。タバコの大事なお供だからね。


 で、一頻りライター見物が終わるといよいよタバコに火をつけて吸わせてみる。


「ゲホゲホッ」


 はは、むせてら。中学生のガキか。

 いかにもな強面オッサンらが一本のタバコ相手に格闘して涙流してるの見てると癒されるね。それを横目に吸うタバコもより一層美味く感じる。


「まあ、薬草そのまま食うのに比べりゃ味は悪くねぇかもな」


 強がり言ってるのもなんか微笑ましいよね。


1時間後にもう1話上げときます。


※修正 空欄作りました。

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