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恵みとエルフ

 《加護『泉恵の体』:大森林7聖泉のうち、太古に体術の女神が眠りについたとされる泉からさずけられる加護。堅固なる肉体保持に必要なスキル基本値を底上げする》


 へー。

 あの泉からこんな加護貰ってたのか。昨日寝る前に見たステータスからは気づかなかったな。


 と、いうことは肉体強化って、加護のせいで底上げされてたってことかな。


 ダークもあの泉に入ってたってことは、あいつも何かのスキルがアップするってことだよね……ん?あいつ加護受けてなかったぞ。


 名前:ダーク

 種族:堕天エルフ(ダークエルフ)

 LV:1

 称号:森の住人

 加護:最上級隷属の加護

 ユニークスキル:拒絶LVmax、森の知識LV5

 スキル:忍足LV2、共有LV1

 HP:11/1(+10)

 スタミナ:1/1

 MP:482/3(+500)

 物理攻撃力:2(+1500)

 物理防御力:1(+3000)

 魔法攻撃力:5(+1600)

 魔法防御力:2(+3180)

 回避力:1(+500)

 テクニカルポイント:0

 ※呪い状態

 ※スキル発動中


 うん、何度見返しても隷属の加護しかないな。何だろう、条件とかあんのかなぁ。


「ね、メープルちゃん、ちょっといいかな。泉の加護ってさ、誰でも得られない感じなの?」

「え、加護?加護がつくことは滅多に無いよ?」

「あ、そうなんだぁ」


 ここは軽く流した方が良さそうだね。私、こういう運の良さって何なんだろう。くじ運はないのにな。

 でもこの場でエルフの大事な泉の加護持ってるとか、ややこしくなる気しかしない。黙ってよう。


「加護はつかなくっても一時的にスタミナとMPを回復してくれるから私達が管理してるの。ヒトが泉の水を目当てに不法侵入してくるし……あ、えっと、」

「ああ。メープルちゃんがヒト嫌いになる気持ちもわかる気がするね」

「でも私、カナメは嫌いじゃない……よ?ヒトも悪いのばかりじゃないって思えてきたの」


 抱っこしている私の腕の中で、照れたようにほっぺたを赤くしてメープルが言った。


 うぁぁあああ、反則!反則だよぉぉお!!

 可愛いすぎるっ!


 そんでもって状況的に罪悪感が酷いよ!嘘ついてごめんなさい。人質にしてごめんなさい。


 別のこと!別のことを考えろ!

 案内のために前を歩くシーダーを追いかけながら、必死に頭をぐるぐるとかき回した。


「そ、そう言えば、エルフ語だと思うんだけど、この口の動きどんな言葉か分かる?」

「んー」


 一昨日のダークの口の動きを真似てみた。多分こんな感じだ。発音されてないから自信無いけど。


「うーん、分からないわ」

「そっか、残念」


 流石に分かんないよな。私だって口パクで音無しの単語を聞かれても余程簡単じゃない限りわかる気がしない。


「あ、口の動き自体は分かるのよ。エルフ語で、『そんな(めぐみ)は無い』って言葉だわ」

「え」

「ただ、エルフにとって『恵み』は色々な意味を含んでるの。使われ方が分からないと正確に訳せなくて……どんな状況で言われたの?」


 恵みが無いって時点で結構マイナスな感じがするけど……。


「えーっと、死なないでって私が言ったあとにそうやって口の動きで返されたんだよ」


 思い返すと我ながら未だに恥ずかしいんだよな。


「それなら簡単に訳したら『無理だよ』って意味じゃないかしら。死なない生き物なんて居ないのだし、そんな『恵み』は無いって事だと思うわ」


 なるほどね。

 でも、そこまで軽いことだろうか?いや確かにそれはそれでヘビーなセリフだとは思うんだけどね?


 繰り返し口を動かしたダークが、同じ意味で繰り返しただろうかってのがある。最初は確かに気軽に口を動かした印象だったけど、徐々に真剣になったあの顔は、たったそれだけの意味だったのか、ちょっと疑問だ。


「あのさ、エルフの『恵み』ってどういう意味があるの?」

「それね、この前、授業に出たわ。『恵み』は、生きてく上で必要な物を指すのよ。天候も含めるし、人と人との出会いも意味するし、災害とかのマイナスでも私達を生かすための試練としての恵みを指すこともあるの。私達は生きるべくして生かされていて、『恵み』は私達が生きることを肯定してくれるものなのよ」


 つまり、アニミズム的な考え方ってことか?八百万の神に近い?私そのへんの知識皆無なんだけどなー。


 とりあえず、エルフにとって『恵み』が神的な存在なのかなってのは分かった。


 身近な食べ物に宿っているし、運命を指すこともあるし、っていう便利な精神というか、宗教に近い感じだろうね。


 そう捉えると、もしかしてあの時、あのガキ(ダーク)は、自分が生きることを肯定するものが無いと口走ったのだろうか?


 やっぱ、直接聞くに限るか。推測は推測でしかないし、それでどうにか出来るわけでもない。


 私はざわつく心を押さえ込みながら歩を進めた。


 進路の先、およそ2km前に一際大きな木が周囲の大木の頭から顔を出しているのが見え始めた。


 ダークがいるなら会って聞けばいい。


 そう言えば、シーダーさんはダークの奴隷であると把握しているのに、何故横取りの様な形で私に自分の奴隷にならないかなんて提案して来たのかな。追求し忘れていたなー。


 長老に会ったらまず挨拶して、そんでもって一応私ヒトっていう部外者だし?非礼を詫びなきゃだよね。頭硬い人じゃなくて気軽に話せるといいなぁ。それからーーーー。


「着いたぞ、メープルを解放しろ」

「いや、長老の元まで行ってからだよ。そこまで行ったら約束通りメープルを返すから」


 長老の家は、流石は村の権力者とも言えるくらい立派な木に、立派な建築物が建っていた。


 こんな立派な木に登れる気はしないからね。シーダーに風魔法で運んでもらう必要があるんだ。

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