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洞窟≒ダンジョンだよな

長く更新止まっててすみません。

 くっそぅ、何だよこれ。

 やっぱり中が危険なのかよ!


 私は後ろにダークを庇いながら目の前に蠢く大量の小人を睨みつけた。


 小人の手には棍棒や斧、短剣とレパートリーがある。まあ、武器自体は粗末なんだけど。


 顔は人間と違って凶暴そうなギザギザした歯を剥き出しにして、目は白い部分の無い真っ黒なもの。頭は禿げかけの申し訳程度の毛量。身体には粗末で臭そうな毛皮をつけている。うん、服着てるとは言えないレベルかな。腰に巻いてるだけだね。肌の色は真っ黒……まあ、ここまで言えばだいたい分かるだろう。


 要はコイツら、ファンタジー世界で言うところのあの有名なゴブリンだ、と思う。想像より黒いから自信ない。普通、肌の色は緑とかじゃない?


 キキッキー!


 先頭のゴブリンが警戒心MAXで威嚇してくる。

 してくるけど、一定の距離を保って様子を見る姿勢は崩さない。


 いやー参ったな。コレ、やっばいわ。何体いんの?暗がりで見えにくいけど、100くらい?奥の方見えないからその倍?


 出口……は、遠いなー。洞穴の入り口付近は水で湿った地面でおまけに斜面という事もあって超滑った。おかげで脱出するのに直進で10mくらい歩かなくちゃいけない。そして多分滑る。


 でも、その出口までの間もビッシリゴブリンらしき奴らが塞いでいる。


 スライディングするんじゃなかったよ、バカじゃねぇの、私。


 ん?そう言えばゴブリンて、RPGだと確かスライムに引き続きチュートリアルで有名な激弱モンスターのうちの1つじゃね?この怖そうな感じは見た目だけだったりして。


 睨み合ってても拉致があかないのは目に見えているしな。ダークだけ攻撃行かないようにしっかり背負って、毛布で自分の身体に縛り付けておく。


 ヤルと決まれば先手必勝だ。殴打系スキル全発動で手前のゴブリンを棍棒で殴ってみた。


 ギャッ!!


 殴ったゴブリンが暗くな……らなかった!

 一応攻撃は効いてるみたいだけど。軽傷っぽい反応だけ。


「えっ?!マジで?」


 ギャー!ギャー!


 私が殴ったせいで周囲のゴブリンが一斉に臨戦態勢に入った。


 んー、ちょっと、いやかなり、しくじったかなー?


 おお?何か黒い塊がゴブリンの頭の上に出来上がっている。

 何アレ。


 私がよく見ようと目を細めた時、塊が私に向かって発射された。


 ドフーン


「いっだぁぁぁあ!!!」


 痛い!ヤバイ!

 全身が爆発したみたいな衝撃を受けた。


 HPが半分くらい持っていかれた。しかも不屈が発動したっぽい。スタミナが800減ってるからLV1~3が全部発動したってことかな?


 え?私ってば一応HP3000代なんだよ?不屈が発動したってことは、その分ダメージがあったってことだよね?!


 てことは……本来のダメージ×2割減×6割減×8割減=1500になるから……え。


 不屈発動しなかったらだいたいHP15,000減ってたってことじゃない?!はあぁあ?!


 て、またあの黒い塊第2弾が出来始めている。


「マジかよー……」


 これ、本気でヤバイんじゃね。


 しかも全身が一気に怠くなって、数秒毎にビリビリとした痛みが走りだした。


 名前:ウエノ カナメ

 種族:ヒト

 LV:13

 称号:勇者見習い

 加護:なし

 ユニークスキル:鑑定LV4、呪い無効LV1

 スキル:殴打LV4、不屈LV3、連打LV1、解体LV1、味覚耐性LV3、危機感知LV3、歌唱LV3

 HP:1580/3198

 スタミナ:2168/4468

 MP:17/17

 物理攻撃力:3462+1500

 物理防御力:3035+10

 魔法攻撃力:17

 魔法防御力:17+10

 回避力:393

 テクニカルポイント:1300

 ※毒状態


 ど、毒状態になってるー!?


 とりあえず第2弾はゴブリンどもの群れに突っ込んで避ける。


 もちろんゴブリン達はただ受け入れてくれるはずもなく四方から武器片手に殴りかかってきた。

 あー、まあ、物理攻撃自体は大したことないな。減っても5くらいだわ。デコピンされてる気分。


「でも、痛いんだけどねっ!」


 私は文句を言いながら周りの小人共を蹴散らして殴り飛ばす。


 つか、背中ヤバイ!背中!ダークいるし!


 なるべく背後からの攻撃重視で狂ったように殴り飛ばしていく。いっそ狂いたい。


 戦ってるうちに洞窟の奥の方まで来てしまった。私が再度壁を背にした所で一瞬攻撃が止んだ。


 うぅわぁ、出口から離れるとか、もう終わってんな。


 半分諦めかけながらも、毒消しと回復薬を一気飲みした。


「ふぅ、これで振り出し……いや、マイナスか」


 何か……何か無いかな。


 必死でスキルを見直すけど、攻撃系スキルって、殴打と連打しか無いんだよね。改めて考えると、逆に私よくこれで生き残れてんな。もっとこう、勇者っぽいスキルないの?


「うわっとと」


 ドフーン


 ヤバイ奴が再度私めがけて飛んできた。

 私は咄嗟に近くにいたゴブリン2体を盾にして何とか回避する。


 振り返ると盾にしたゴブリンは黒焦げになって地面に転がっていた。


「こっわ!マジかよ!」


 冷や汗がつたうけど、とりあえずダークを庇いながら洞窟の奥まで入り込んでいく。てか、逃げ道がこっち側しかない!


 で。行き止まり。

 大体出口から数百メートルって規模の大きさの洞窟だな。


 スタミナは殴打を継ぎ足して使ったから大体残り1500くらいか。スタミナ回復するやつ取っとけばよかったな。今更だけど。


 奥の方は小部屋みたいになっていて、食料庫らしい。まあ、残飯みたいな腐った変な臭いしかしないから、私は死んでも食べれないだろうけどな。ゴブリンは居なかったのでそこにダークを押し込んだ。

 入口が小さく、壁も堅いので、ここにゴブリンを入れさせない限りダークは安全だろう。


 てか、ゴブリン達は目が悪いのか、私がただ毛布の塊を小部屋に押し込んだだけと思ったみたいで完全に注意が私に向いてくれている。


 最悪、ダークは拒絶スキル使って外に出れるよね。


 ……………。


 ん?

 ちょっと待て。

 ダークの拒絶スキル最初から使ってもらえばこんなことならなくない?


 や、まあ、言葉通じないけどさ。そこはこう、ダークも分かるだろうし……。


 いや。

 やめよう。そんな、いちかばちかみたいな賭けをガキにさせちゃダメですよね。ダークの場合一瞬で死ぬし。


 そんな思考を巡らせながら手当り次第に殴りまくること2時間半。


 スタミナが10を切った。因みにHPは回復薬を飲み継いでるから半分以上はある。


「ぜー、ぜー、はー。まだ、いんの、かよ」


 限界だ。


 恐らく100体は倒したはず。あたり一面に小人共の死体が転がっている。

 でもそれと同じ数だけ目の前に生きたゴブリンが。


 どっから湧いてきてんの?マジで。


 と、いくら知能の低いゴブリンでも前後左右同時攻撃ってのは知ってるらしい。


 私がそのうち2体を跳ね除けた時、残りの2体が私の身体を拘束してきた。


「なっ!」


 危機感知スキル無しでも分かった。嫌な予感が背筋に伝う。


 何とか身をよじって背後を見ると、例の黒い塊が私に向かって来ていた。


 やっぱり死ぬ直前ってスローモーションらしい。自分の心臓の音だけ、やけに大きく聞こえて、目に映る光景から色が抜け落ちた。


 あー、ここで死んじゃうのね。


 そう諦念の気持ちで不思議と冷静に黒い塊を見つめていると、何故か遮るモノが現れた。

 小さな人影が私と黒い塊の間に滑り込んできた。


「え」


 ドフーン


 当然ながら私に衝撃は来なかった。


 代わりに目の前の影が私の方に向かって飛んでくる。まるで人形でも投げつけられたかのような、そんな気分に囚われながら受け止めた。


「……え」


 ゆっくりと視界に映る色が戻ってくる。でもきっと、実際はコンマ1秒もかかっていない。


 それでも戻ってくる色を怨みたくなった。クリーム色のローブ……。


 思考が停止しかけるのを耳にまで聞こえる心臓の音が邪魔してくれた。


「ダーク!」


 視界の端にダークのステータスHP1を捉えると叫びながら急いで回復薬をダークの口にあてがった。続けて毒消しの薬を飲ませる。


「ゴホッゴホッゴフッ、うっ」


 ダークがむせた。ダークの咳が洞窟に反射する。


 生きてる。死んでない。


 そう確認したら、ホッとするよりも怒りが先に来た。


「くっそが!」


 むせるダークをとりあえず背後にやって、まず私にしがみついてポコポコやってるゴミのような小人を2体ぶん投げた。


 梱包で殴るなんて生温かったらしい。両手で千切るように、雑巾を絞るように、とにかく頭に浮かんだ破壊衝動を頼りにひたすら身体を動かした。実際どれもゴブリン達には不思議と効いた。


 我を忘れるってのはこういう状態のことなのかな。

 気づいたら周囲に立ってる小人は居なくなっていた。


「はー、はー、はー」


 ちょっと冷静になった。


 何というか、もしかして途中から弱くなった?

 だって、明らか殴打スキルの時間過ぎてるよね。なのに、まるで紙でも千切るみたいなレベルで殺戮出来たんだけど。


 私は黙ってダークからダガーを奪うとゴブリン一体一体の心臓あたりを刺して回った。


 確実に死ぬように。

 二度と、危険な攻撃をされないように。

大変お待たせしました。

ちょっと再開出来そうなので投稿します。

またお付き合い頂けると光栄です。

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