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薬草ってのは不味いらしい

 爪や牙、革を鑑定連打する。平均10回前後で鑑定は成功した。


 《ブラウンウルフの爪:ダガーや弓矢の原材料となる。ブラウンウルフから入手可能》


 《ブラウンウルフの牙:ダガーや弓矢の原材料となる。ブラウンウルフから入手可能》


 《ブラウンウルフの革:革の鎧や寝袋の原材料となる。ブラウンウルフから入手可能》


 ふむ、やはり私の読みは間違いでは無かったな。こういう書き方の原材料は売れるはずだよね。


 さて、ブラウンウルフの残骸シリーズの鑑定も終わって一息ついた。でもそのおかげで余裕が出来てしまった。そう、頭の隅に追いやっていたワードが浮上してくる。


 もしかして、私、街から締め出された?


 いやいやいや、まだそうと決まったわけじゃない。

 ないけども。


 これがゲームなら私は確実にリセットしてるわな。そして絶対に王都から出ないでバイトする。勇者とか関係ない、まず金が必要だ。よく考えりゃバイトするのが一番だったんだよなー。勇者が職探しから始めるって夢も何もないけどさぁ?どうせ勇者見習いだし?

 はあ。と言っても全部今更なんだよねー。


 よくこういう間違いをする。ポケットの怪物ゲームでも、何をとち狂ったか、傷薬2個でとある頂上リーグへ特攻してしまったこともある。しかも、リーグに入ったところでセーブするという愚行を犯した。身分証に敗北を付けたくなくて勝つまでリセットを繰り返したっけな。


 そして、今、同じような愚行を犯している。現実はリセット出来ないと痛いほどわってるはずなのに。頭のどこかでは、この世界をやはりゲームと置き換えて浮かれてたんだろうね。


 次からはもっと慎重に、且つこの国を信用しない方向でいくしかない……。


「はー、やってらんね」


 でもね?反省したとしてもこの現実は変わらないんだよ?


 私は夕日に向かってそう言うと、ポケットからタバコを出して火をつけた。日本から飛ぶ時ポケットに入れていたタバコだけは一緒に転送された。カバンは転送されなかった。結構カバンの方に色々詰めたのにな。


 一服するとHPが1減った。


 余計なお世話だよ!


 誰のためでもない見せしめにもう1本吸おうとして、残り10本しかないのが目に止まった。


 あ、やばい。

 タバコのめどたってないじゃん。


 ……よし。

 よっぽどでなければ極力吸わないようにしよう。私なら出来る……多分。


 それこそタバコが切れたらこのふざけた世界に何しでかすかわかったもんじゃない。私が魔王になりかねん。精神安定剤があるってのは今の私にとって必須事項だ。


 というわけで、一服して多少落ち着いたのでステータスチェックを開始する。


 《殴打LV1:スタミナ10を消費して、3分間殴打による攻撃力小up》


 《殴打LV2:スタミナ50を消費して、7分間殴打による攻撃力中up》


 殴打系は何となく予想してた通りだった。殴打スキルを使った時のスタミナの減少率が大きかったのと、狼の反応を見るにダメージが増えてそうだったからだ。でも、延々とLV1を駆使してたな……。まあ、スタミナ10程度ならいくらでも使えるからね。


 そして私はいつの間にか手に入れた不屈スキルを開く。


 《不屈LV1:スタミナ100を消費して、HP50%以上のダメージを受けた際のダメージを2割軽減する瀕死のダメージを受けた際はスタミナががあれば自動的に発動される》


 《不屈LV2:スタミナ200を消費して、HP50%以上のダメージを受けた際のダメージを6割軽減する。瀕死のダメージを受けた際はスタミナがあれば自動的に発動される》


 おお!何か途中死んだって思うレベルの攻撃食らったのに平気だったのはこの子のおかげか!!


 不屈様々じゃん!自動発動ってとこもありがたいです。これは重宝しますわー。


 《解体LV1:スタミナ10消費して死体の解体効率を小up》


 ふーん、効率up系ね。

 今度お世話になってみるかな。


 こうしてみると今のところスタミナばっかり消費する系統だなー。


 いや、助かるけどね?スタミナ有り余ってはないにしても余裕がある方だし。


 それにしても、レベルアップ一気にするのは初期だとあり得ると思うけど、このステータス上昇率の違いって何なんだろう。


 うん、ありがたいよ?

 確かによく分かってないMPが大幅に上がるよりもスタミナやHP、物理攻撃力、物理防御力が上がってくれた方が即戦力だからね?


 でも、スタミナ超上がってるし。


 これだと私筋肉馬鹿みたいじゃん。


 私って、か弱い女子なんだよ?


 思わず経験値を鑑定してみた。


 《経験値:一定数を上回るとレベルが上がる。次のレベルアップまでの間に得た経験値は、各スキル、各ステータスの頻度から積算され、レベルアップ時に上昇率が反映される。レベルが上がる程反映される上昇率は大きくなるが、必要な経験値数が多くなる》


 あーレベルアップまでに使用したステータスで上昇率に偏りが出んのね。確かにあのブラウンウルフとかいうやつは物理攻撃しかしてなかったし、私も攻撃は物理攻撃(拳)だけだったから当然の結果だったってことね。


 で、スタミナは特にスキル『殴打LV1』や無意識だったけど『不屈LV1』をあの戦闘で結構使用してたから上昇率半端なかったと。


 てか、何気に爺さんが言ってたLV50という基準ガン無視でLV8にしてHP2000超えちゃったよ。やはり私って勇者だからねー。見習いだけどさ?なかなかな良い成長率だよね、うん。


 か弱い女子にとってはちょっと安心だよね。


 ぐぅー


 腹がなる。お腹空いたなー。


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に成功しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に成功しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に成功しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に成功しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に失敗しました》


 《鑑定に成功しました》


 はい、何をしているかと言いますと?


 私は手当り次第に辺りの草を鑑定しまくっていた。

 以下、成功した際の鑑定結果です。


 《雑草》


 《雑草》


 《毒草》


 《雑草》


 《薬草:回復薬の原材料となる。HPを少量回復》


 お?!私は最後に鑑定に成功した草を掴んだ。


 そのままでも回復できるということは、だ。食べられるってことだ!!


 私は葉っぱ部分をパクリと食べた。飢えた私にとって最悪毒じゃなければ何でも良かった。


「おえっ!」


 回復薬の味を1000倍に強めて、雑草臭さを凝縮させた味がした。


 胃がせり上がったけど、何とか咀嚼して飲み込む。幸い葉っぱ自体は柔らかいから食べやすい。ほうれん草みたいな感じだ。味は全く違うけどね。


 で、暫くしてHPが50程回復した。


 何となくだけど、ブラウンウルフを倒した時も思ったけどタイムラグみたいなのがあるよねー。


 まあ、今のところ困ってないからいいけどさ。

 回復薬の効果は早かったんだけどなぁ?


 と、そこから私は延々と草を鑑定し続け、薬草を見つけては口に含んでいった。


 ゲロまずなんだけど、ゲテモノ食いも結構してきたから精神的には草噛むだけなので平気だ。

 そんな中、薬草を見つけて口に含むこと5回目あたりでそこまで味を感じなくなった。


 と思ったら、ポーンとステータスに文字が浮かんだ。


 《熟練度が一定数を上回りました。スキル『味覚耐性LV1』が取得されました》


 おお、ありがたや。これは見るからに今現在必要なスキルだ!


 早速、鑑定をかけた。


 《味覚耐性LV1:強烈な味を軽減する》


 この書き方、スタミナとか必要じゃないの?


 味覚耐性LV1をオンにした。


 すごい!


 あの超絶青臭く、苦味が永遠に奥歯にこびりつくような味が!


 口の中で生成された天然の青汁の生理的に受け付けないようなあの味が!


 気持ち減ったきがする!0.1倍希釈くらい味が薄くなったかな(笑)


 オンにした状態で暫く待機したけど、スタミナやMPに変化はない。これは常にオンにしておこう。


 そして私は薬草を見つけてはうさぎの如く草をはみ続けた。


 HPがフル回復した。

 やったね!


 傷は綺麗さっぱり消えて、跡も残らなかった。服はボロボロだけどね。


 そして私の半径200m圏内から薬草が絶滅したけど、大丈夫だよね。生き物は強いから、うん。ごめんなさい!


 さて、HPはフル回復しても腹はどことなく満たされていない。


 でももう、辺りは真っ暗だ。

 城門の上にある篝火以外、何も見えない。スキルで暗視とか手に入らないかなー。と、頑張って目を凝らしてみた。


 変化なし。


 そうですか、そこまでうまく行きませんよねー。

 と、私は城壁に手を当てて、何となく鑑定を発動した。


 《鑑定に成功しました》


 お!1発だ!わーい。


 《城壁:土魔法と闇魔法によって作られた壁》


 ほう、闇魔法とな?


 クリックした。


 《闇魔法:闇の魔法》


 はいはい、ですよねー。

 水魔法とかのくだりから何となく分かってたよー?

 この鑑定って使えるのか使えないのか今ひとつ測りかねる。ま、あるにこしたことないし助けられてる部分もあるけどさぁ。


 て、あれ、魔法の部分クリックできるじゃん!


 《魔法:自身の魔力や自然の魔力を操作して発動する系統を指す。一般には魔力操作のスキルを獲得すると自然と使えるようになる。魔法の系統には火、水、風、土、闇、光がある。発動の際、相応のMPが必要となる》


 ふむふむ?

 とりあえず魔法を使うには魔力操作なるスキルが必要になるわけね。

 魔力……かー。


 よく漫画とかに出てくるオーラなり、気なり、マゴイなりがそれに当たるんだろうけどさ。いきなり言われても、私知らないしなー。

 当分、魔法とは無縁かなー。


 そう思ったところでポーンと音が鳴った。


 《熟練度が一定数を上回りました。『鑑定LV2』が『鑑定LV3』になりました》


 あ、そうなんだ!やったね。


 《鑑定LV3:パーティメンバーの各スキル、各ステータスを鑑定可能》


 あっす、ぼっちには要らない機能が追加された模様です。


 因みにユニークスキルとスキルの違いは、ユニークスキルはLVが上がるとこれまでの内容に上書きされるけど、スキルは解放されるスタイルみたいだ。


 だから殴打LV2に上がっても殴打LV1の効果を使いたければ使用可能だ。同時使用が出来るかはまだ試してないから、今度戦闘時にやってみようかな。

※修正 空欄作りました。

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