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子守始めました。

短め

 結局、ダークは最初こそ吐いてたけどコップ一杯の砂糖粥を飲み干した。


 私?

 もちろん同じのを同じ量だけ食べた。

 ダークが吐く気持ちもわかるくらいゲロ不味かった。

 やー、ダークマジごめん。


 これでも料理得意な方なんだよ?


 共働きな親に代わって壮太にもしょっちゅうご飯を作っていたし。でもまあ、自分が嫌いな食べ物はどう作ったって美味しくないもんさ。


 どんなに不味く出来上がっても、私にはレベルアップした味覚耐性LV3があるからね。ごくごく飲み干して今日のご飯は終了した。


 うん、空腹だよ?

 今日割と動き回ったし足りるわけないんだけどさ?餓死寸前だったような子を目の前にガツガツと普通の料理食べれます?

 A(アンサー), 私には食べれません。


 食後、ダークにはお湯の入った桶と布を渡して身体を拭いててもらう。見た目だいぶ汚れてるからね。私も人のこと言えないけどさ。


 で、だ。

 ダークが見綺麗にしている間、いよいよお楽しみのお時間だ。

 コレがなかったら流石に私も腹減りとか今後のこととか考えて、気が重かったかもしれない。


 スフィアさんに貰った葉巻を一本取り出して、窓際に行って腰掛けた。


 ふっふっふ。葉巻って吸ったことないけどいつか吸おうと画策してたのですよ。

 日本だと高価だし手が出せなかったんだよねー。文字通りセレブのアイテムですよ。


 吸い口を宿屋に借りてきたナイフでカットして、ライターで火をつける。


 フワァ……


 ちょww、これ、めっちゃいい匂いwww


 テンションMAXだわ!

 煙を口に含んで、味わう。


 うまー!


 タバコと違って、煙飲めないのがちょっと寂しいけどね、そこは妥協しよう。だってニコチンとれればいいもん。


 タバコと葉巻は、日本酒飲むかビール飲むかくらいの違いがあるけど要はアルコールだからね。そんな感じの違いだ。

 脳にニコチンが供給されればいいのだよ。


 案の定HPが1減ったけど、背に腹はかえられない。健康よりも心の安定大事。

 でもHP1であるダークには副流煙でもヤバイきがするから窓から身を乗り出しながら吸う。


 今日の祝勝会が近くで開かれているのかな。秋頃のような涼しい夜風に乗って楽しそうな野太い男どもの歌声が聞こえてくる。

 同じフレーズが繰り返されてるだけの、単調だけど陽気な歌だ。


 気分が乗ってきたので私も一緒になって歌った。


 《熟練度が一定値を上回りました。スキル『歌唱LV1』を取得しました》


 ん?何か変なスキル得たな。


 《スキル『歌唱LV1』:精神状態を安定させる》


 誰の?って疑問が浮かんだけど、あっても無くても、どっちでもいいスキルだ。スタミナとか使わないっぽいし、負の要素にはならないよね。ずっとオンにしとこう。


 葉巻も吸い終わり、部屋を振り返る。

 汚れきって濁った水桶と布の近くに、隙間なくシーツで包まれた塊が床に転がっていた。


 え、え、ダーク死んでないよね?!


 慌てて近寄って耳を澄ませばスースーと寝息が聞こえてきた。


 はあー、紛らわしい。でも良かった、生きてる。マジ焦ったわー。


 と、ここでシーツを捲って触ってみようと思い、端っこを摘んでみる。


 結論、ガッチリガードされているせいで捲るのは無理だった。


 そんなことをしてる間にダークはちょっと目が覚めたのか、更にギュッと丸まった。


 亀かっ!


「そんなに触られたくないのかよ」


 思わず苦笑いと共に呟いてしまった。


 まあ、嫌がることをしたい訳じゃないし、ここまでしてくるってことは、もしかしたら呪い無効さえも効かないのかもしれない。


 この世界来て数日の私より、この世界をずっと生きてきて呪いを受けた本人の方が知ってることは遥かに多いだろう。

 今日のところは寝込みを襲うような無理強いはしないでおこう。私も疲れて眠たいしね。


 でもね、生憎と子供を床に寝かせる趣味はねーんだよ。下手すりゃ虐待だわ。そんなこと良識ある大人である私がするわけないでしょ。


 ギュッと縮こまってるし、持ち上げやすい状態だ。シーツの塊をシーツごしに掴みあげ、ベッドに放り上げておく。


「なっ?!」


 ビックリするぐらい軽かった。


 ベッドに落下したダークはモゾモゾと混乱したように動いた。でも、すぐにまた隙間一つないシーツの塊と化して動かなくなった。


 明日の朝は砂糖粥コップ2杯分だな。

 そう思いながら、ダークに布団を掛けてトントン背中辺りを叩いてやった。

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