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ノズ①

すみません1日あきました。

でも短いです汗

 スフィア・レーンボルト。


 俺の直属の上司の名前だ。レーンボルトファミリーと言えば、このシルフティア王国で裏の王者と呼ばれる程の暗躍を見せた大ファミリーである。

 その一翼を担う女頭の下についてから20年間、俺は血を吐く様な、嫌、比喩じゃなく血をはいて戦い続けてきた。


 スフィア様は人使いが荒い、荒いながらも俺達を人として扱ってくれる。同じファミリーの中でも他の頭の元についた同僚なんかは、随分と前に鉄砲玉扱いされて死んだり、切り捨てられちまった。だから俺達も忠義を尽くすことを惜しまねぇ。


 今では他国から仕入れてきた奴隷の護送リーダーを任せられるほどだ。奴隷の護送ってのは命懸けだ。なんたって、表参道を通れないからな、魔物で溢れた裏道を使わざるを得ない。常に繰り返される魔物との戦闘で何度死にかけたことか。


 魔物ってのは大地の魔力が強い所の方が遥かに強くなる。ダンジョンでも地下の方が魔力に溢れてるから強くなるわけだが、北に行くほど大地の魔力が強くなるのは常識だ。大森林ってのはそんな大地の魔力の集合体だからな、強力な魔物で溢れている。


 つうわけで、大森林に近いジバルの街周辺にはそんな大地の魔力に育てられた魔物達が流れてきちまう。この辺りの魔物の代表格と言えばヘルスライムとブラウンウルフだろう。


 ヘルスライムってのは、文字通りその溶解液に触れるとたちまちステータスダウンの呪いが掛かり、身体の自由が一気に奪われる。そんなわけで徐々に死へと追いやられるっつう最悪な魔物だ。しかもこいつは仲間を呼び寄せ、四方を固められちまう。で、無駄に物理防御力が高いからな、倒すとすれば魔法攻撃しか方法はないだろう。物理攻撃で倒すなら物理防御力ダウンの魔法をかけるなり付与効果された武器の使用くらいだろうか。

 まあ、こいつは動きが鈍いから触らぬ神に祟なしっつうことで全て無視しておけばいい。野宿の時さえしっかり魔物よけの薬を周囲に撒いておけば、そこまでの驚異にはならねぇ。


 俺達が一番注意してんのはブラウンウルフだ。

 ブラウンウルフってのは、LV60前後の人間がやっと1対1で勝てる程度。俺は最近やっとLV57に上がった所だが、スキルも隠密や斬撃がLV5だから勝てないことは無い。が、幸運なことにこのブラウンウルフは群れで襲ってくることは滅多にない。おかげである例外を除いて4人パーティを組んでいればそこまでの驚異にはならないわけだ。


 だが昔、ジバルの酒場で聞いたことがある。ブラウンウルフのボスが殺された時、新しいボス決めのためにブラウンウルフが一時的に群れを作ることがあると。


 ブラウンウルフのボスは見た目こそ変わらないが、レベルが違う。長年この仕事をやってきて1回だけ遭遇したことがあるが、明らかに見た目がでかく、筋肉も桁違いだ。特に棍棒の攻撃は物理防御力をある程度まで無視してくるのか、一撃食らっただけで戦闘不能になりかねないダメージを負ってしまう。そして牙と爪、更には隙を見せれば魔法までも駆使してくる。


 そんな魔物に出会ったなら決死で逃避するのがこの辺りの住人のお決まりだった。だが逃げ切れるのは当然ながら数も少ない。誰かが犠牲になりながら生き延びた連中ばかりだった。こんなわけで、ここ20年ほどブラウンウルフのボスが殺されることなんざ起こらなかった。


 でも、今目の前に4体ものブラウンウルフがパーティを組んでいるとなればそういうことなのかもしれない。


 おっと、余計なことを考えている間に仲間が1人怪我をしちまった様だ。


 フィントはふとした時にミスをするから、不測の事態に対応出来なかったんだろう。


 しかし、参ったな。

 俺も成長して来たとはいえ、ブラウンウルフ1体で手一杯だ。もちろん、ほかの奴らも弱くはないし、1対1で冷静に戦えることができりゃ勝てるはずだが……やっぱ完全に息の根を止めるにはそれぞれ時間がかかる。


 最悪フィントを見捨てたとしても、もう1人誰かが犠牲になる必要がある。


 奴隷を1人囮にするか?お頭なら商品が減ったと怒っても全滅しなかったのならまだマシだと結局は許してくれるだろう。


 俺が判断を下す直前、フィントに振り下ろされた棍棒が視界の端で弾かれたのが映った。


 何が起きた?


 何かが起きたのは分かるが、とりあえず悪い方向ではないんだろう。目の前のブラウンウルフに集中した。


 どうにかこうにか倒し終わり、フィントの方を振り返った。そこには死体になったブラウンウルフと、質はいい筈だがビリビリに袖や裾が千切れた服を着た野生児のような女が立っていた。


ブラウンウルフとスライムの位置づけのお知らせ回でした。


私情により続きは月曜日に更新します。

5個くらい貯めれるといいな……


※修正 空欄作りました

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