in High Summer
掲載日:2015/10/24
夏のある日、君は私を外に連れ出した。
「どこに行くの~。もう夜だよ」
止めようとする私の手を引っ張って歩く君。
少しだけ意地の悪い笑みを浮かべて。
「ないしょ」
たった一言。
「………」
何も言えなくなった私は、周りが暗いことに感謝しつつ、おとなしくついていった。
「ついた、ついた」
君がふと足を止めて上を見る。
上に何かあったっけ。
君の動作につられて上を見た私は驚いた。
「きれい……」
そこには満天の星々が、綺麗に瞬いていた。
「これを見せたくて、つれてきたんだ」
嬉しそうに笑う君は、星々と負けないぐらい輝いていて、私にはまぶしかった。
これは夏。
二人で過ごした一瞬の思い出。
まぶしかった君が今も遠い地で輝いていることを願い、私は今日もあの空を見上げている。




