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記憶への旅   作者: gOver
47/55

第47話 ロックさんを信じて

 「ごめんなさい、ごめんなさい……」

 謝りながら涙がぼろぼろとこぼれてきました。

「何をいっているんだい。スー、君のせいじゃないよ」

 テックスさんが私の手を握りながら優しく言ってくれました。

でも、でも私がいなかったなら、ロックさんはさらわれることもなかったので

す。

「泣いていたって何も解決しないよ。スー、ロックを信じるんだ。必ず戻って

くると」

 ただただ私はロックさんがもう戻ってこないんじゃないか、そう思うと悲しく

て悲しくて涙がとまりません。

 私が泣いている間ずっとテックスさんは手を握っていてくれました。

「自分を責めたりしないで、ロックは戻ってくる、そう信じるんだよ」

「私だってそう信じたい、でもあの集団にとらわれたロックさんがどんな目に

あわされているかと思うと」

「スー、今はそんなことを考えてもどうすることもできない、大事なのは自分

の身を守ることだ。ここに今日は身をひそめているのがいちばん安全だ。僕もこの部屋にいるか

ら、もし自転車乗りの集団が仮にここへ来たとしても、やつらは僕達がここにいるのは知る由もないが、この部屋の本棚の後ろが秘密の通路になっていて、この街の反対側に出られるようになっている」

 私は怖くなりました。もし自転車乗りの集団がこの建物にきたら……。

 ノールとサーラがすすり泣いているのでロックさんが彼女達の肩を自分に抱き寄せて

「怖いことなんて何もないんだよ。僕がついているじゃないか」

 といつもお父さん的存在のテックスさんは二人を元気づけていました。

「さあ、ここで4人でただ座っていても仕方ない。ゲームでもしよう」

 とテックスさんの明るい一声にそうなんだ、テックスさんだって仲間のことが心配だ、

でもあの子達を怖がらせないよう思いやるテックスさんの優しさに、自分も泣

いてばかりはいられないという気持ちになりました。そして、4人でゲームをし

たり、歌をうたったりして過ごしました。


 夜中に突然、私は目をさまし、テックスさんがいないのに気がつきました。ノ

ールとサーラはすやすやと寝ています。でもなんか胸騒ぎがし部屋を出ました。


「やめるんだ。ケビン、そんなことをしたら自分の身を危険にさらすだけだ」

 テックスさんの声が台所のほうから聞こえてきました。

「僕はロックさんがどこへ連れ去られたか検討がつきます。僕が彼を助けに行

きます。テックスさんはスー達のそばにいてやってください」

 私は台所へ向かいました。ケビンとテックスさんが言い合っています。

「ケビン、冷静になるんだ。あの連中のところへ君一人が乗り込んでいって何

ができるというんだ。多勢に無勢じゃないか、捕まったらどうなるんだ」


 私は二人に歩み寄りました。

「ケビン、私もロックさんを助けに行きます。一緒に連れて行ってください」






早くロックさんがみんなのもとへ帰ってくるといいなそう思いながら今回は書かせていただきました。


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