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記憶への旅   作者: gOver
31/55

第31話 ラウェスの祭

 翌日のラウェスの街は、昨日よりもっと賑わっていました。朝から盛大に花火が打

ち上げられ、そこかしこから人々のざわめきが伝わってきました。水の都というだけ

あって、入り江には色とりどりの旗で飾られた船がたくさん集まっていました。

 私たちも今日は朝からお祭り見物に出かけました。お祭りは今日から五日間開かれ

るそうです。明日からは箒乗り一座の大道芸もお祭りで披露するらしいので、みんな

ははしゃいでました。でも、私はまだまだ箒乗りの芸は出来ないので、明日はユフィ

さんに箒乗りの指導をしてもらわないといけません。上手くいけば、お祭りの最終日

あたりには、私も大道芸に加われるかもしれません。

 ヨアンさんは今日もメインストリートに行って、露天商に加わってます。

 サーラとノールは得意の箒に乗って、街を飛び回ってました。テックスさんとシー

ラさんは、広場で行われている大道芸に見入っていました。口から火を吹く男の人、

一輪車に乗ってジャグラーをする人、人形劇をする人達。様々な大道芸人が集まって

いました。

 明日はこの場で箒乗りの曲芸をするため、他の大道芸人の人達とも打ち合わせをし

なければなりませんでした。

 私とロックさん、シュールさん、ユフィさんは、一緒に船で賑わう桟橋の方へ歩い

て行きました。

「リノさんはどこへ行ったのかしら?」

 宿を出る時は一緒だったリノさんの姿が、いつの間にか見当たらなくなっていまし

た。

「さあな? リノが突然いなくなるのはいつものことだがな」

 シュールさんは笑って答えました。

「リノは人混みが苦手なんだよ。心配しなくても日暮れまでには宿に戻って来るさ」

 と、ロックさんは答えます。

「そうですね」

 物静かなリノさんは、賑やかすぎるお祭りは好きじゃないのかもしれません。で

も、こんなに楽しいお祭りなのに、楽しまないのはもったいない気がしました。

「スー、見てごらんなさい。船の上で皆がダンスを踊っているわ」

 ユフィさんが指さす先に目をやると、船の上から賑やかな音楽が聴こえてきまし

た。大きな船の甲板でたくさんの人々が軽快に踊っています。

「スー、一緒に踊ってみないかい?」

 ロックさんが私に笑顔を向けました。

「え?……でも、私、踊れません」

「大丈夫、曲に合わせて体を動かすだけでいいんだよ。決まった踊り方はないんだ」

 ユフィさんとシュールさんは、一足先に船の甲板に上がり、もうみんなの中に入っ

て踊っていました。二人ともとても楽しそうです。

「じゃ、踊りましょう」

 私もロックさんを見て微笑みました。

 船の甲板に上がる揺れる橋を渡る時、ロックさんが私の手を引いてくれました。ロ

ックさんは親切です。ロックさんと手をつないだ時、私は少しだけドキドキしまし

た。






またまたお目にかかります。春野天使でございます。(^^;)

今回は、賑やかなお祭りを書いてみました。スーとロックに恋の予感が??

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