第3話 優しい瞳
村の道をしばらく歩いた後、私達は一つの小さな家へと辿り着きました。
それは私達がよく遊びに行った、ジーナおばあさんの家でした。家の扉は閉まっています。
フィオナがその扉を開けようとした時、私は小さな声で聞きました。
さっき聞いた『渡したいもの』や“あれ”とは何なのか、です。
「渡したいものって何なの? フィオナ」
フィオナはゆっくりと振り向きました。彼女の表情は、自分までつられてしまう様な無邪気な笑顔でした。
「もうすぐ分かるよ♪ その前に、私からの誕生日プレゼント」
フィオナは服のポケットから小さな箱を取り出しました。
そして私に差し出し、
「誕生日おめでとう、スー」
優しい目で私を見つめ、優しい声で言いました。
私も、出来る限り優しい声で言いました。
「ありがとう、フィオナ……」
ただし、私は俯いたままで……。
真っ直ぐフィオナを見ていると、涙が出そうだったから……。
フィオナの目は、9年前からちっとも変わっていません。
いつでも、私を見る優しい瞳は、ね。
箱の中身はペンダントでした。
銀色の鎖は日にあたってきらきらと輝いています。
先には、直径2cm位の丸い石がありました。まるでビー玉です。
それは綺麗に透き通っていて、鮮やかなスカイブルーでした。
私には、まるで魔法の宝石に見えました。
その時、3日前にフィオナが言っていた言葉を思い出しました。
“なかなか綺麗な蒼色にならないわ。時間がないのに”
フィオナは木などの樹液から宝石を作る宝石師の資格を持っています。
何処にでも転がっている、小さな石でも宝石が作れる程の才能が無いと出来ない仕事です。
フィオナは、4年前に才能が認められました。
村の皆が言うには、フィオナはもの凄い才能の持ち主だとか。
しかしまだ職業として働いてはいません。
“あくまでも趣味としてね。出来るようになりたくて”そう彼女は言っていました。
そして5日前の早朝。フィオナが何処かへ出かけていました。
帰ってきたフィオナは、膨らんだ小さな袋を持っていました。
顔や体を土埃で汚していましたが、彼女はきらきらした笑顔でした。
そして最近、部屋にこもってずっと何かをしていたのです。
私の為に、ずっとプレゼントを用意していてくれたのね……。
私は早速それを着けました。
ペンダントは私の胸元で、ずっと輝いていました。
「ちょっと遅くなっちゃった。おばあちゃん待ちくたびれてるかも」
フィオナがジーナおばあさん宅の扉を開けます。
かちゃ、という軽い音で扉が開き、私は遠慮なく家の中へ入っていきました。
しかし、家の中は空です。物音1つしません。
「あれ……? ジーナおばあちゃん居ないみたい……。どうするの、フィオナ?」
フィオナから返事がありません。
私は後ろを振り返りました。すると、さっきまで居た筈のフィオナがいません。
あるのは開いたままの扉だけです。
「フィオナ……?」
私は気になって外に出ました。そして――
雫☆です♪ リレー小説の一員です!
ある人には聞きなれない名前かもしれません。
が、一応小説は別の名前で投稿しています。スミマセン。
初めてリレー小説なる物を書くので、少々緊張していますが、頑張りますので宜しくお願いします!




