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記憶への旅   作者: gOver
23/55

第23話 湖の底、空の島

私は出発の準備をしました。

とは言っても、荷物はあまり無いので部屋の整頓と少しだけ見回りをしただけ

です。

玄関へ行くと、もう皆揃っていました。

「あ、スーが来たよ!」

「じゃあ出発しよう」

テックスさんが代表で、オトーヌおばあさんにお礼を言いました。

いつもと同じ様に振舞っている様ですが、テックスさんはどこか様子が違いま

す。

微妙に警戒している様な、緊張している様な……。

一方、オトーヌおばあさんは穏やかに私達を見ています。

「また機会があったら、遊びに来て下さいね」

その言葉に、私は無意識のうちに小さく頷いていました。

私達は、オトーヌおばあさんの微笑みを背に受けて出発しました。



出発して洋館が見えなくなった頃、

「シュール、スー、ロック」

テックスさんが馬車を止めて、私達を呼びました。

「何ですか?」

「湖は、何処にあったんだ?」

テックスさんの言葉に、皆驚いたようでした。

湖があったことは誰も言っていないのに、どうして知っているのでしょう?

リノさんが教えたのでしょうか?

「湖……ですか?」

「ああ。ラウェスに行く前に寄って行こう。案内して欲しい」

何故寄るのかは分かりません。それでも、必要なら行くべきでしょう。

シュールさんもそう思っていたのか、静かに頷きます。

「馬車では行けません。箒で行きましょう」

「全員で行こう。五分後、各自箒を持って外に集合だ」

テックスさんの言葉に、全員が反応しました。



「えぇと……あっちですね」

シュールさんの指差した方向に、私達はまっすぐ飛んで行きます。

数分後、蒼く澄んだ湖が見えてきました。

太陽の光を反射させて、きらきらと輝いた蒼い湖です。

「すごーいっ!」

「きれー!」

「凄い……」

改めて見た蒼い湖に興奮してサーラとノールがはしゃいでいます。

それはそうでしょう、あの時よりも湖の蒼さが増しています。

「……あれか」

「えぇ」

「湖の真上に行ってみよう」

テックスさんが先導して、湖の真上に向かいます。

湖の真上に来ると、今度は湖の中央へと向かいました。

テックスさんは何をしたいのでしょう……?

「シュール。この湖について、何か知らないか」

「……! 前に一度、本で読んだ事がある……。

 そうか、この湖の事だったのか……!」

テックスさんとシュールさんは何の事を言っているのでしょう?

リノさんを除く皆が、二人をじっと見ています。

「全員、湖の底を注意して見て欲しい。

太陽が上がっている今の状態なら、見える筈だ」

シュールさんの言葉を受けて、全員の視線が湖へと向きます。

「あっ……!」

「何だこりゃ……」

そこには、完全に滅びた島の様な国が沈んでいました。

見た事も無い建物と、骨組みのように伸びた通りが多くありました。

「昔、ここには大きな森とその遙か上に浮かぶ国があった。

空の島と呼ばれる、大きな国。その国の名は『ニュアージュ』といった」

シュールさんの言葉だけが、私の耳へ――いえ、全員の耳へ届きます。

「その国は技術が発達していた。人々が豊かに暮らせる環境だった。

それでも、国には大きな問題があった」

「環境汚染か?」

ロックさんの言葉が、シュールさんの言葉を遮りました。

シュールさんは首を横にゆっくりと振って、話を続けます。

「環境問題は技術発達で既に解決していた。国の中央を、よく見て欲しい」

シュールさんに向けられていた視線が、再び湖の底へ向きました。

国の中央は、国が一番崩壊している場所。

その中心にあったのは……

「あれは……?」

「ニュアージュの問題は、空の魔物の襲撃だったんだ」










 第23話を執筆させて頂きました、雫☆です。

 空の島と湖の謎。私の頭ではこれしか思い浮かびませんっ!

 何とか一つ謎をなくしました。まだまだ謎はあるぞ!

 というか、その前に受験生という壁を乗り越えなければ!

 gOver全員で創り上げる『記憶への旅』、これからもお付き合いお願いしますね。

 そしてまたクリスマス短編も宜しくお願いします!


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