第10話 選択肢
翌朝、スーは箒乗り一座の団長、テックスさんに呼ばれて、彼らのいる旅の宿へ行きました。木のぬくもりがある旅の宿……なんだか、自然な気持ちになります。
木で出来たドアをあけると、これまた木で出来たカウンターがお迎えします。
「あぁ、スー。テックスさんはあちらだよ」
と、宿屋のご主人が手で示した方にはテックスさんと、子供二人、それに奥さんがいました。
「あっ、スーだ! おはよう、スー!」
ノールです。初めて会った時と、全く同じ言葉で挨拶をしました。
「やぁ、スー。おはよう」
「おはようございます」
スーが挨拶すると、座って、とそばの椅子をスーに勧めてテックスさんは自分ももう1つの椅子に座りました。
「さて、スー……。君の、背中の刻印のことだが」
スーは思わずハッとしました。自分から切り出すべきなのに、なぜテックスさんは知っているんだろう、と思ったからです。
「ジーナから聞いたよ。だが我々も、実のところ良く知らないんだ。それで提案なんだが……」
テックスさんはチラリと、奥さんに目をやりました。
「一緒に旅に出ないか、スー? 君の箒のこなし方、それに記憶の事も踏まえてだ。あちこち飛び回っているうちに、君に深く関わっている土地があるかもしれない。それとも……記憶は、取り戻したくないか?」
「……いいえ。思い出したいです。本当のお母さんも、お父さんも、いるのなら姉弟も。それに……」
ふと、リノさんの顔がスーの頭に浮かびました。
「それに、友達だって」
「うん、そうだろう。だが、旅にでるのであれば、もちろん今の家族と別れなければならない。連絡をとる手段は、あまりない。経済的にね。どうする?」
スーは深く考え込みました。その間に、ロックとシュール、それにリノさんが下へ降りてきていました。
(フィオナやママやパパ、それにジーナおばあちゃんとか、村の人と別れるのは……寂しい。けど……それ以上に、大切なものを見つけられるのなら……)
そしてスーは顔をあげて言いました。
「少し、考えさせてもらえますか?」
テックスさんは頷いて言いました。
「私たちは3日後に、この村を発つ。一緒に行くのなら3日後の日の出の時、ここへ来てくれ。行かないのなら……黙って我々の姿を君の家から見送ってくれればいい」
「……はい」
一巡して再び廻ってきました、菫です。やっとこのお話、この展開^^;
書こうと思えば、書けることに気付きました。
これからも頑張りますので、最後までお付き合いお願いします。




