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6 黄昏戦闘団、爆誕!

そのあとまあ、なんやかんやあって演習場から引き揚げ、現在は何時もの支部長室だ。


で、だ。


「…これは?」


そうして支部長から渡されたのは、やけにしっかりした造りのカード、武器になりそう(小並感)。


「それはAランク探索者の探索者カードだ」


探索者の身分を証明するカードか…。


「,…つまり?」


「海原ナギ君、君は今日からAランク探索者だ」


「まじですか…なんとまあ」


いきなりAランク冒険者…


Sランク冒険者を圧倒したわけだし、まあ妥当か?


「探索者を煽って、インフルエンサーになった俺が…まさか、探索者ですか…」


「…それはほんとにやめなさい」


「…まあ、ほどほどにしておきますよ、さすがにね」


あのアカウントは暫く放置だな。


「今回のこの決定は、詳しくは言えないが…まあ、いつものごとく、上の事情がからんでいる」


…そうでしょうね。


撃破困難な歩くイージスアショアだもんな、俺…いや、改めて考えてもヤバくて草。


まあ、でも肝心の俺がほとんどイージスシステムを理解できてないから、ほぼ感覚頼りになっているのは玉に瑕かなー。


…普通の高校生に理解できるほど単純なシステムなわけないしね、しょうがないね…。


「では今日はもう帰っていい、後日詳しく探索者について説明しよう」


「…てっきり、暫く拘束くらいはされると思っていたんですがね」


「探索者というのは様々な面で強固に権利を保護されているからな」


「…そんなんだから、探索者至上主義が萬栄するんでしょう」


「…ああ、実は協会でも結構問題になっていてな…困ったものだ」


「シビリアンコントロールのない武力なんて危険なだけでしょうに…まあ、今の俺が言えたことではないですがね」


「…」


「では、失礼します」


そのまま俺は退室する。


「ああ、気を付けて…それと君の同類についても、な…全く、何故次から次へと…」


…なんか、最後に支部長が意味深なことを言っていたような気がするが…そのまま俺は支部を後にする。


さて今は…まだ午前11時頃…か。









「というわけで、来ちゃった☆学校☆」


現在、すでに放課後だ。


「いや、お前…というか外見が普通にいいから様になっているのが、アレだな」


「ほんと、ナギの登校することへの情熱はなんなんだろうね」


「…無欠席だけは維持して見せる!」


「無理だろ…だって探索者になったんだろう?」


「ああ、そうだなんかAランクらしい」


「…は?」


直人が一瞬フリーズする。


「…おいおい、何をやらかした」


「失礼な、あれだSランクとユニーク持ちの偉い人をぶっとばしただけだ」


「OH…」


天を仰ぐ直人。


「ふはは、俺の主張は正しかったことが認められたな!」


やはり米軍の戦車とかのが探索者なんかより強い!


「…お前、戦車じゃなくてイージス艦だろ」


「それにさー、ナギ、結局スキルなんだから、普通に探索者の力ってことにならない?」


「えーい、うるさい、誰が何と言おうと、俺は現代兵器なんだい」


そう、俺は現代兵器なのだ!


「はぁ…まあいい、それより、問題があるんだよ…それもとびっきりの」


…む、なんだ?


「ほれ」


「はい!」


と突然、直人と歩美が何かを投げ渡してくる。


「と、いきなりなんだ…は?」


彼と彼女が投げ渡してきたのはBランク冒険者カード。


それも、彼らの名前が入ったもの。


「俺たちもスキルを獲得したんだよ」


「すごいでしょー?」


「おお、でもいきなりBランクって…」


一体どういう…まるで俺…待てよ、まさか。


…ものすごく嫌な予感がする…。


「…おい、2人のスキルの名前は」


すると二人は顔を見合わせそして、俺の方を向き言う。


「俺がユニークスキル「M1A2エイブラムス主力戦車」だ」


「私はユニークスキル「AH64Dアパッチロングボウ戦闘ヘリ」だよ!」


今度は俺が天を仰いだ。


おいおいまじかよ…草も生えねぇよ…。


「これ、もしかして…俺の影響か?」


「まあ、お前が発端で周りの俺たちまで「何らかの存在」による巻き添えの可能性が高いな」


何らかの存在…あの時の声…か。


「すまないな…お前らを巻き込んで」


「は、何を言ってんだ、ユニークスキルだぞ!」


「そう!ふふふ、ちょっと物騒なスキルだけど…これで私の人生、勝ち組確定よ、ふははは」


いや、滅茶苦茶ポジティブ思考な奴らで草。


「というわけで、もうこれは俺たちでパーティー組むしかないだろう!」


「わーい!」


「…お、おう」


マジでいきなりテンション高くなったな、直人と歩美。


はぁ…パーティーねぇ?


…まあ、こいつらと一緒ならあれだけ嫌っていた、探索者になってみるのも悪くはないかな。


と、直人が椅子から立ち上がり宣言する。


「よし、パーティー名は「黄昏戦闘団」だ!」


おい、なんか勝手に突然、パーティー名を決めたぞ、こいつ。しかも中二な名前だし。


いや、そもそも


「戦闘団ってあれだろ陸軍の混成部隊のことだろ…俺だけネイビーなのだが」


「いや、ナギ、お前、スキルはネイビーだが、実質、歩くイージスアショアだろ…だからお前もアーミーだ!」


おい、なんだ、その雑な分類…まあ、確かにそうだが…。いや、でもよく考えると別にBMDしかしないわけじゃないから…イージスアショアかどうか微妙だな…。というかダンジョン探索でBMDする機会ないじゃん。


「…ナギが高2病なら直人は中二病ね…はぁ」


歩美が呆れている…いや俺を引き合いに出すなし。


「よし、早速、探索者協会に言ってパーティー登録だ!」


「まあいいか…おー!」


「…おう」


というわけで俺は直人と歩美に連れられ探索者協会のこの市の支部へと舞い戻る。









新時代のユニークスキルを手に入れ少年、少女三人。


彼ら、彼女らはまだ、知らない。


ランドパワー、シーパワー、エアパワーの三要素が融合した時の強力すぎるシナジーを。


下手をしなくても、中小国の軍隊を返り討ちにできる「軍事力」。


ここに「ダンジョン世紀」は彼ら、彼女らの出現により新たなる局面を迎えることとなる。

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