星座を食む
夜が青い
ためいき色の青い夜
丘のベンチに佇んで
子ヤギを見ながら星座を食む
消え去った時と
これから出会うだろう人々を
そのあいだに見ながら
なるべく無邪気な作り笑いをして
子ヤギも笑ってくれるように
星々も笑ってくれるようにと願いながら
はらぺこ頭で星座を食む
どこか遠い所へ
今すぐ行けますようにと
声は出さずに
何が悲しいの
子ヤギがきくから
白い頭を撫でて
黒い影は見ないで
答えた
わたしは今
普通だから
だいたいいつでも普通なんだから
悲しくなんか
ないんだよ
星をひとつつまんで
そう言うと
子ヤギは気遣うように微笑んで
今すぐじゃないから
大丈夫だから
いつかは君も星になる
君が星になったら
後から生まれてきた僕が
はむって
ハムハムって
食んであげるから
名前もつけてあげるから
こぐまさんには勝てないかもしれないけれど
君の名前で星座にしてあげるから
今食んでいるこの星も
きっと誰かの大切だった推し
そう
言ってくれた