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Das Testament  テスタメント  作者: Siberius
Das Testament Mayu
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ガルブレヒトとボルボロス

ミリエルは一人で夜、道を歩いていた。

ミリエルは修道会の生活用具を買いに出かけていたのだ。

「ふう……遅くなっちゃったわね。それにしてもどうしてあんなに多くの商品を扱っているのかしらね。日本人には『選択と集中』という概念はないのでしょうね。総花主義だわ」

ミリエルが歩いている道は電灯が光っていて道を照らしていた。

ミリエルの背後に魔法陣が出現した。

それは黒い魔法陣だった。

ミリエルは背後を振り返り、両手のエコバッグを地面に落として、投剣を二本、両手に持つ。

「何者?」

ミリエルが魔法陣に語りかける。

その瞬間、魔法陣から黒い影が現れた。

黒い鎧を着た騎士だ。

この騎士は手に斧を持っていた。

「我はガルブレヒト。ブラッツォ様の配下なり」

「ブラッツォ? 悪魔公ブラッツォね?」

ミリエルが警戒しながら言葉を返す。

「我があるじからの命令だ。ここでおまえには死んでもらう」

ガルブレヒトが斧を構え、同時にミリエルに斬りかかってきた。

ガルブレヒトの一撃を、ミリエルはまるでダンスでも踊るかのようにかわす。

ガルブレヒトの攻撃を受け止めることはミリエルにはできないだろう。

今の一撃で分かったが。

ガルブレヒトは強力な力を持っている。

そのガルブレヒトに向かって、ミリエルは聖投剣を投げつけた。

聖投剣は一直線にガルブレヒトの胸に向かい、飛翔する。

ガルブレヒトは全身から黒い闘気を出した。

それを斧にまとわせ、すさまじいスピードで聖投剣を砕いた。

ミリエルは攻撃の手を緩めない。

次々、聖投剣を投げつけて、ガルブレヒトをスピードで圧倒しようとする。

しかし、ガルブレヒトは軽々と、聖投剣をはじき飛ばして無力化していく。

ガルブレヒトは放出した黒い闘気で聖投剣そのものを無力化し受け付けない。

ミリエルは内心でガルブレヒトをののしった。

ミリエルは遠距離攻撃が効かないとなると、接近戦を挑まざるをえない状況に追い込まれた。

ミリエルは聖投剣に蒼い炎をまとわせる。

蒼い高い熱量を持つ炎はミリエルの聖投剣とドッキングし、すさまじく燃え上がる。

ミリエルは消えた。

そう見えた。

実際にミリエルはすばやく移動しただけなのだが。

ミリエルの『聖炎剣せいえんけん』がガルブレヒトに襲いかかる。

ミリエルは二本の剣に蒼い炎をともしてガルブレヒトを斬りつけた。

パワーは劣っても、スピードはミリエルのほうが上だ。

ミリエルはガルブレヒトの首を狙って聖炎剣で斬りつける。

しかし、それは斧によって防がれた。

ガルブレヒトはごく自然に、そんな攻撃は通じないとでも思っているのか、ミリエルの斬撃をガードする。

ガルブレヒトの顔は兜で見えない。

しかし、ミリエルにはその下で笑っているように思えたのだ。

ミリエルは次々とガルブレヒトに斬りかかった。

だが、どの攻撃もガルブレヒトに阻まれる。

ガルブレヒトは黒い斧に黒い闘気を集めると、強力な斬撃をミリエルに繰り出した。

ミリエルは聖なる炎でそれを打ち消しつつも、殺しきれなかった力を受けて後方に吹き飛ばされた。

「ああ!?」

ミリエルが苦悶に顔を歪める。

ミリエルは地上にダイブすることなく、着地する。

「聖炎剣まで通じないなんて……まるで化け物を相手にしている気分ね」

ミリエルは再び聖投剣を構えて立ち上がる。

ミリエルには焦りがあった。

「それにしても、あなたはなぜ、あたしを襲ったのかしら?」

「……」

ガルブレヒトは答えない。

まるで答える必要がないと黙殺を決め込んだらしい。

「あら、教えてくれてもいいじゃない? ケチね」

ガルブレヒトは闘気を刃の形に変形させて、ミリエルに叩きつけてくる。

これでミリエルは終わりだと、ガルブレヒトは考えていた。

しかし、その考えは甘かった。

ミリエルは上空へと上昇した。

そしてガルブレヒトは聖なる青い光を放つ剣で貫かれていた。

ミリエルは上空に飛び上がると、同時に聖光剣をガルブレヒトに投擲したのだ。

さすがもガルブレヒトも聖光剣はどうにもできなかったらしい。

ミリエルはガルブレヒトに追い打ちをかける。

「聖滅!」

聖なる光が柱となって上昇する。

ガルブレヒトは聖なる光で浄化され、そのまま倒れた。


サリエルは公園にいた。

サリエルはベンチに座って月を見ていたのだ。

月は夜を象徴する天体だ。

夜空に浮かび、その身を輝かせる月は実に美しい。

ときおり、雲に流れて月そのものを隠すのが憎らしい。

サリエルは自分に殺意が向けられたことに気づいた。

「!? 何者だ?」

冷たい声音が公園に響き渡る。

サリエルは良くも悪くもドライである。

それに理屈っぽい。

サリエルは刀を抜いた。

サリエルの前に『それ』は現れた。

それは全身から紫の雷を放出している、紫の竜だった。

その胴体は蛇のように長かった。

「雷の竜だな。なぜこいつが俺のもとに来たのかはわからないが、何者かには俺を攻撃する理由があるのだろう。まあ、いい。相手にはなってやる」

雷竜ボルボロスはアギトを開けて咆哮してきた。

ボルボロスの全身から雷の粒子が放出される。

「こちらから仕掛けさせてもらうぞ。氷雪刃!」

サリエルは氷雪の刃を飛ばした。

ボルボロスはそれを恐れず、かみついてきた。

そして、なんとそのかみつきでサリエルが飛ばした斬撃を無力化してしまった。

「こいつ……なかなかできるな」

ボルボロスはとぐろを巻いて尾を回転させると、尾で打ちつけるかのようにサリエルを攻撃してきた。

サリエルはすみやかに上昇してそれをかわし、そのままボルボロスのもとまで行って、ボルボロスを斬りつけた。

「っ!?」

ボルボロスの体はサリエルの刀を通さなかった。

「予想していたとはいえ、やはり硬いな。ここは技で対抗するか」

サリエルにボルボロスがかみつこうとしてきた。

サリエルはそれをあっさりとかわす。

サリエルは力ではザドキエルに劣るが、技術とスピードではザドキエルを上回る。

もちろん、ボルボロスはそんな事を知るはずもないし、知ることもできないが……。

サリエルは反撃しようとした。

その時、サリエルはボルボロスの口に雷が収束されていくのを見た。

「何か来る!」

サリエルは射線上からすぐに退避した。

その直後、ボルボロスの口から収束された雷光のブレスがビームと化して発射された。

雷光のブレスは遠くにあった木々を貫通し、薙ぎ倒した。

これが住宅地だったらと思うとぞっとする。

それほどの破壊力だった。

霧氷剣むひょうけん!」

サリエルは氷の技を刀にまとわせ、斬撃として繰り出した。

この攻撃は対象の体を凍らせる力がある。

しかし。

「効果なし、か」

ボルボロスには効かなかった。

ボルボロスは再び口を大きく開ける。

ボルボロスは全身から紫の雷を放出した。

サリエルはすぐさま避難して後退した。

サリエルは再び構える。

ボルボロスは必ず隙を作る。

その時に速攻で仕留める。

サリエルはそう考えていた。

サリエルの刀に氷が形成される。

サリエルの技『氷晶剣ひょうしょうけん』である。

ボルボロスの放電が途切れた。

今が反撃の時。

サリエルはボルボロスの頭を一撃で貫き、ボルボロスを即死させた。

ドシーンとボルボロスが倒れる。

ボルボロスは紫の粒子と化して消えていった。

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