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Das Testament  テスタメント  作者: Siberius
Das Testament Shion
29/60

灰の怪物

「ようやく、殺人バチと殺人グモは始末できたか……」

アラクネとアラクニドが死んだことで、ドーム状の巣も灰と化した。

大量の灰が道路上に残った。

ザドキエルは上空に上昇した。

「まだ、何かいるな」

ザドキエルは町から異質な存在の気配を感じた。

異質な存在が、この町のどこかにまだ、潜んでいる……

ザドキエルは商店街に目を向けた。

「あそこか!」

ザドキエルは飛翔し、商店街に向かった。

ザドキエルは商店街の前に降り立った。

商店街はアーケードでおおわれていた。

ザドキエルは黒曜石の大剣を右手に持ち、商店街に入っていった。

「!?」

突如、ザドキエルは見えない敵に襲われた。

ザドキエルはとっさに反射的に身をかわした。

「何だ!?」

敵の姿はぼやけていてはっきりとは見えなかった。

しかし、しだいにその姿がはっきりと浮かび上がった。

その姿は大きな蛇になった。

コブラタイプの蛇で、全身が灰色だった。

「蛇か!」

ザドキエルは剣を構えた。

敵と対面する。

この蛇の名は「ヴォルチ」である。

ヴォルチは口を開けて鋭い牙をザドキエルに見せつけた。

ヴォルチの牙からは毒液がしたたり落ちた。

ヴォルチの毒は地面で沸騰した。

「やれやれ、また毒物か。まったく、どいつもこいつも毒ばかり見せつけてくる。こいつらはそんなに俺に毒を見せたいのか。皮肉の一つでも言いたいくらいだ」

ヴォルチはザドキエルに迫った。

毒の牙でかみつこうとしてくる。

ザドキエルは地面を跳びはねて、ヴォルチの牙をかわした。

ヴォルチはゆっくりとザドキエルに忍び寄った。

口を開いて、毒の牙を見せて、ヴォルチはザドキエルに近づいてくる。

ザドキエルは気を張り詰めてヴォルチと対峙した。

剣の刃をヴォルチに向ける。

するとヴォルチは鋭いしっぽを繰り出して、ザドキエルを攻撃した。

ザドキエルはすばやく横にそれてヴォルチのしっぽをかわした。

ヴォルチの尾には毒針がついていた。

「!? こいつ!? しっぽにまで毒を!?」

ヴォルチは尾の毒針を繰り出し、何度もザドキエルを狙って攻撃してきた。

「まったく、どいつもこいつも毒ばかり! 少しは自分で吸い取っていろ!」

ザドキエルはヴォルチの尾をかわしつつ皮肉った。

とっさにヴォルチは口を開いてザドキエルにかみついてきた。

ザドキエルは後ろに跳びのいてヴォルチの牙をかわした。

ザドキエルは大剣を構えて、ヴォルチに対して反撃の機会をうかがった。

鋭い目でにらみ、全身の神経を集中させ、緊張させる。

息を吸い、呼吸する。

ヴォルチは毒針の尾で攻撃してきた。

ザドキエルはそれを瞬時によけて、ヴォルチの尾を大剣で斬りつけた。

ヴォルチは叫び声を上げた。

ヴォルチの毒針はザドキエルによって切断された。

ヴォルチの尾から黒緑の血が流れた。

ザドキエルは光の力を剣に集めた。

再びヴォルチと対峙する。

ヴォルチは怒り狂って、ザドキエルにかみかかってきた。

ザドキエルは光の剣でヴォルチの口を貫いた。

一瞬のできごとだった。

ザドキエルの光の剣はヴォルチを貫通していた。

ザドキエルは剣を引き抜いた。

ヴォルチは大きな音を立ててその場に倒れた。

ヴォルチの死体は灰炎はいえんで燃え盛り、灰を残して消えた。

「……これで終わりか?」

ザドキエルは周囲を見わたした。

商店街の中は静けさが支配していた。

「いや、まだ何かいる!」

ザドキエルは「敵」の存在を感じ取った。

まだここに敵の気配がある。

敵が存在する。

ザドキエルはこれらの灰獣はいじゅうたちを「敵」と見なしていた。

ザドキエルの前にぼんやりとしたシルエットが浮かび上がった。

「何だ?」

ザドキエルはすぐに剣を構えて、警戒した。

怪物は野牛の頭に手と足を持ち、二足で歩行する姿をしていた。

褐色の、毛深い肌に長い斧を手にしていた。

この怪物の名はクダン(Kudan)である。

クダンはザドキエルの姿を確認した。

クダンは大きく息を吸い込んだ。

クダンは毒の息を吹き付けてきた。

ザドキエルは光の剣で毒の息を斬り裂いた。

「こいつも、毒を使うのか! どこまでも毒が好きな奴らだ!」

クダンは斧をつかみ、斧でザドキエルを攻撃した。

しかし、クダンの攻撃はザドキエルにかわされた。

クダンは斧を上に上げて大きく振り下ろした。

ザドキエルは瞬時にそれて斧をかわした。

「こいつには知性はあるのか?」

ザドキエルはクダンを見つめた。

「話が通じそうもないな。こいつは知性を持ってはいないようだ」

クダンの体はザドキエルよりも大きい。

クダンは大型の怪物だった。

クダンはジャンプしてザドキエルに近づき、斧を振り下ろした。

「おっと!」

ザドキエルは後ろに下がって斧をかわした。

ザドキエルは大剣を振るって連続攻撃を行った。

クダンはザドキエルの攻撃を斧で的確に防いだ。

「やるな!」

ザドキエルが言葉を漏らした。

今度はクダンがザドキエルに反撃した。

大きく斧を振りかぶる。

強力な斧の一撃が出された。

ザドキエルは後退して斧をかわした。

「あの斧は厄介だな。とても剣で受け止められそうもない」

ザドキエルはクダンに斬りかかった。

クダンはザドキエルの剣を斧の柄で受け止めた。

ザドキエルは剣をクダンに打ち込んでいった。

ザドキエルは慎重にかつ、細やかに斬撃を繰り出していった。

クダンはザドキエルの攻撃を防ぐだけで精一杯だった。

ザドキエルは笑った。

ザドキエルは剣により力を入れて強く振るった。

ザドキエルにはクダンの焦りが伝わった。

クダンは斧を振り上げた。

「フン!」

ザドキエルは退いてかわした。

クダンは息を吸い込み、毒の息をはいた。

ザドキエルは剣に光の力を集めた。

ザドキエルはジャンプして毒の息をかわし、さらにクダンに強烈な一撃を叩き込んだ。

クダンは斧の柄で防ごうとしたが、ザドキエルの攻撃は斧の柄を粉砕し、破壊し、クダンに打撃を与えた。

ザドキエルの光の剣がクダンに傷を与えた。

「とどめだ!」

ザドキエルは剣を右から左に振るい、斬りつけた。

クダンは絶叫を上げて、仰向けに倒れた。

クダンの体はもはや動かなかった。

「ふう……ようやく倒せたか」

ザドキエルは軽く息をついた。

クダンの体は灰炎と煙を上げて、灰と化していった。

ザドキエルはその様子をつぶさに見ていた。

「こいつらは死ぬと灰に還る……まるで葬式を見ているようだ……」

ザドキエルは戦いに勝った。

しかし、敵への疑問は強く残った。


「もう怪物がいなくなった……みんなが怪物たちをたおしたのね」

詩音は青い空と白い雲を見上げた。

そこにミリエルとサリエルが降り立った。

「二人とも、帰ってきたのね」

三人は住宅地の道路上で合流した。

「ありがと、詩音ちゃん。あたしたちの力だけじゃあのハチたちの大群を倒しきれなかったわ」

ミリエルがほほえんだ。

「そんなことないわ。私は少し、手伝いができただけよ」

詩音は照れた。

「まあ、初陣にしては上出来だ。猫の手とも言ったが、おまえの力も役に立った。礼を言おう」

サリエルは淡々と告げた。

「そんな……」

詩音は恥ずかしくなった。

「あら? サリエルがほめるなんて、珍しいわね。明日は雪でも降るのかしら?」

「別に、ほめたたえたわけではない。単に評価しただけだ、あるがままをな」

「結局いっしょじゃない」

ミリエルが突っ込んだ。

「ディックはまだ、帰ってこないのね。今どこにいるのかしら?」

「わからん。ザドキエルは女王バチと交戦した後、殺人グモのほうに向かった。それからはどこに行ったのかわからん」

「そうね。アニキのことだから、どこかで敵と戦っていると思うんだけど……」

三人がディックについて話していた時、ディックが空から地上に降り立った。

「よう、三人とも集まっていたのか」

「ディック!」

「アニキ!」

「ザドキエル!」

「商店街まで行ってきた。まったく出てきた怪物どもにはあきれたよ。どいつもこいつも毒ばかり使いやがる。もう、俺は見たくもない」

「もう、敵は全滅したようだな。俺は敵の気配を感じない」

とサリエル。

「それにしても、今回のハチには疲れたわ。まったく、次から次から群がってくる来るんですもの。ほんとに戦いたくない相手ね」

「サリエル、ミリエル、詩音、今回の戦いはおまえたちのおかげだ。ありがとう、感謝するよ。さて、じゃあ帰るとしますかね、我らが白い家『ホワイトハウス』にね。『大統領府』が俺たちを迎えてくれるさ」

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