異界からの諸力
梅園市の上空では空間が歪み、多数のバグホールが発生していた。
バグホールは黒緑の穴と化して、中から殺人バチを出現させた。
昼の空に多くの殺人バチが姿を現した。
一方、ある交差点にはドーム状のクモの巣ができていた。
殺人クモ、アラクネ(Arachne)、アラクニド(Arachnid)である。
アラクネは雌のクモ、アラクニドは雄のクモであった。
双方共に大型で人間よりも大きかった。
ディックたちは外に出た。
ディックは「ワシの目」によって、上空から俯瞰的に眺めた。
「ちっ! 今回は殺人バチに加えて殺人グモまでいるようだ!」
「殺人グモですって!?」
ミリエルが驚きの声を上げた。
「今のところ、そいつらは目立った動きをしていない! そいつらは後回しだ! 先に殺人バチを狩るぞ! 詩音、おまえは俺たちが撃ち漏らした敵を片づけてくれ!」
「わかったわ」
詩音は手から銀色の弓を出した。
「サリエル、ミリエル、行くぞ! 俺たちは空中戦だ!」
「望むところだ」
「ええ! あたしたちでやっつけましょう!」
ディック、サリエル、ミリエルは空へと飛び立った。
詩音は一人、地上に残された。
ディックたち三人は殺人バチとの空中戦に突入した。
「まったく、なんて数だ! 詩音の力も借りたいくらいだ!」
ディックは殺人バチの大群を見てそう言った。
ディックは黒ワシのレイピアで殺人バチを斬り殺していった。
殺された殺人バチは灰色の煙を上げて灰と化した。
ディックは確実に殺人バチをしとめていった。
殺人バチはオレンジ色に黒い縞をしていた。
殺人バチのブーンとした羽の音が戦場で響いていた。
「人間たちにはこいつらを始末できる殺虫剤を作ってもらいたいね!」
ディックは殺人バチを撃墜しつつ、言葉を漏らした。
サリエルは空中で刀を振るい、殺人バチをしとめていった。
サリエルの鋭い刀裁きを受けて、殺人バチは次々と斬殺されていった。
「ハチ狩りか……厄介なことだ」
ミリエルは舞を踊るかのように殺人バチと戦った。
白い剣を二本だし、ミリエルはそれで殺人バチを攻撃した。
ミリエルは右手の剣で殺人バチを斬りつけ、左手の剣を遠くの殺人バチに投げつけた。
ミリエルの剣で貫かれた殺人バチは上空から落下した。
「ほんと、なんて数なの!? あたしたちだけで抑えられるかどうか……!? ああ!?」
ミリエルの側面を何体かの殺人バチが通り過ぎていった。
「撃ち漏らしたわ。後は詩音ちゃんに任せるしかないわね」
一方、詩音は地上からこの戦いを見守っていた。
やはり相当敵の数が多い。
詩音は道路の上に立ち、弓を構えた。
三人が撃ち漏らした殺人バチが空から来襲した。
「私だって戦えるわ!」
詩音は飛来してきた殺人バチに弓の矢を発射した。
殺人バチに矢が命中した。
殺人バチは地上に撃墜された。
これはミリエルとの霊的な修行の成果であった。
「まだまだ!」
詩音は休むことなく矢を殺人バチに向けて射撃した。
詩音は一体一体正確に殺人バチをしとめていった。
その狙いは正確で詩音には弓の才能があるらしい。
詩音によって二体の殺人バチが撃墜された。
詩音の前で殺人バチは煙を上げて灰と化した。
「本当に死ぬと、灰になるのね……」
上空ではディックたちが奮戦していた。
ディックたちの活躍によって、殺人バチたちは人に危害を加える前に倒されていった。
三人は互いに協力し合い、死角を無くすように戦っていた。
「詩音も何体か撃墜したようだな」
ディックが言った。
「フン、猫の手も借りて正解だったな」
とサリエル。
「このまま行けば、敵を全滅させられるわ!」
そう言ってミリエルは殺人バチのそばを通り過ぎた。
その様でミリエルは殺人バチを何体が斬り殺した。
「これならミリエルの言う通り……!?」
「なんだと!?」
「何これ!?」
突如ディックたちは異常な反応を感じた。
その反応は巨大だった。
「これは何だ!? 何か、でかい何かが来る!」
ディックが言った。
サリエルは殺人バチと交戦しつつ、新しい反応を感じた。
「これは巨大なバグホールだ! また何かやってくるぞ!」
「まだ来るっていうの!? いったい何なのよ!」
梅園市の上空に巨大なバグホールが生じた。
空間が歪曲し、黒緑色の穴ができた。
「黒ワシ解放!」
ディックの剣から黒ワシの紋章が浮かび上がった。
ディックの姿が変わった。
ディックはザドキエルになった。
ちょうど、黒緑のバグホールから巨大な殺人バチが姿を現した。
「でかいな。こいつは殺人バチの女王か!」
ザドキエルが言った。
「サリエル、ミリエル! 俺はあのでかい奴と戦う! 残ったザコたちはおまえたちに任せる!」
「わかった! ここは俺たちに任せておけ!」
「行って、アニキ!」
ザドキエルはザコ殺人バチのあいだを突破し、女王バチの前に飛翔した。
ザドキエルは黒曜石の大剣を構えた。
目の前には巨大な女王バチがいた。
「まったく、おもしろくない。余裕がないとはね!」
ザドキエルは剣に光を収束させた。
そして女王バチに接近し、大剣を叩きつけた。
女王バチは悲鳴を上げて吹き飛ばされた。
「邪魔だ! とっとと、ケリをつけさせてもらう!」
女王バチは態勢を立て直した。
女王バチは怒りに燃えていた。
女王バチは毒針を出してザドキエルに突き刺そうとした。
ザドキエルは横にそれて毒針を回避した。
ザドキエルは大剣に力を入れて、女王バチの毒針を斬り下ろした。
「どうだ!」
女王バチは毒針を切断されて、苦悶にあえいだ。
さらにザドキエルは追撃した。
ザドキエルは光の刃を横に振るった。
そして、光の剣を構え、女王バチに突き刺した。
光の剣は女王バチの体を深々と貫いた。
女王バチは上空で絶叫を上げた。
ザドキエルは剣を抜き取り、女王バチに最後の攻撃を加えた。
ザドキエルは光の刃を上から下に斬り下ろした。
女王バチにはとどめの一撃となった。
女王バチは上空でその姿を灰へと変えた。
「休んでいる暇はない! 次は殺人グモだ!」
ザドキエルは上空を飛翔した。
空を大きく旋回し、ザドキエルは殺人グモのところに向かった。
殺人グモは雌のアラクネと雄のアラクニドであった。
殺人グモの巣は交差点に作られており、ドームのような形をしていた。
殺人グモは今のところ、人間への攻撃を仕掛けていないようだった。
ザドキエルは巣の前で停止した。
ひとまず、殺人グモの様子を観察する。
ザドキエルの存在にアラクネは気づいた。
アラクネはアラクニドにザドキエルへの攻撃を命じた。
アラクニドは巣を伝って、下に降りてきた。
ザドキエルはアラクネとアラクニドに猛毒があることを気づいた。
「こいつらも毒持ちか!」
アラクニドはザドキエルにかみつこうとしてきた。
もしかまれたら人間なら即死するだろう。
ザドキエルは巣から離れて、アラクニドの攻撃をかわした。
「おまえの相手は後でしてやる!」
ザドキエルは手に炎の魔力を集めた。
ザドキエルは手から炎をアラクニドに放った。
アラクニドは炎で火だるまになり苦しんだ。
「今は炎と遊んでろ!」
ザドキエルは上昇した。
そして巣の裏側にいたアラクネのもとに接近した。
アラクネはザドキエルの接近に動揺した。
ザドキエルはアラクネを剣で上から斬りつけた。
ザドキエルは剣に力をこめて、アラクネを貫いた。
「燃えろ!」
ザドキエルは剣から炎を発生させた。
アラクネは全身を炎で炎上させた。
アラクネは灰となり死んだ。
「次は雄だ」
ザドキエルが向かおうとした時、ちょうどアラクニドがザドキエルに接近してきた。
ザドキエルは下から上昇し、アラクニドに斬りつけた。
「これで、終わりだ!」
そしてザドキエルは剣を上から下に振り下ろし、アラクニドに致命的な一撃を与えた。
アラクニドは巣から落下し、地面に倒れた。
そして、体から煙を上げて、灰と化した。




