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Das Testament  テスタメント  作者: Siberius
Das Testament Shion
16/60

アシュタルテ

ディックは城の下で魔法陣を描いた。

「よし、これで準備はできた。いつでも行けるぞ」

「では、行くぞ」

サリエルが魔法陣に入った。

「じゃ、行こうか、アニキ」

ミリエルも魔法陣の中に入る。

「出発だ!」

魔法陣から、光が柱となって上がった。

それから光の足場が現れて、三人を上へと運んでいった。

「まるで光のエレベーターね」

三人はエレベーターに運ばれて城へと向かった。

「冷たいな」

ディックは上空の空気に触れて言った。

ほどなくして三人は城へと到着した。

門は開いていた。

「さて、歓迎してくれるかな?」

「怪物どもがな」

「冗談だぞ? よし、行くぞ!」


混沌の女王アシュタルテは玉座の間にいた。

アシュタルテは自らの城に異分子が入り込んだことがわかった。

しかし、アシュタルテにはまったく慌てる様子がない。

「フッ、天使どもが入り込んだか。フフフ、我がしもべどもはすべて出払っている。ゆえに城のあるじたる、この私が出迎えねばならないな。来るがいい、天使どもよ。悪魔の力を思い知らせてやろう。カオスが地上を、そしてこの世を支配するのだ」


「怪物どもがいないな」

「すべて出払っているんだろう」

ディックがサリエルに言った。

ディックたちは城の中を走っていた。

この城のあるじのもとへと疾駆する。

階段を登り、上の階へと進む。

ディックたちは大きな扉があるところで立ち止まった。

「この先に、この城のあるじがいるわね。扉越しに魔力を感じるわ」

ミリエルが言った。

ディックは扉を開けた。

そして中に入った。

玉座の間。

そこではアシュタルテが玉座に傲然と座っていた。

ディックたち三人の到着、侵入にも驚くことがない。

アシュタルテは無表情でディックたちを出迎えた。

「おまえがこの城のあるじか?」

ディックが尋ねた。

「いかにも。私は混沌の女王アシュタルテ。この世に混沌をもたらす者」

「おまえが地上に怪物どもを送り込んだのか?」

「そうだ。私は我がしもべどもを地上に解き放った」

「いったい何が目的だ?」

「カオスこそ地上のあるべき姿なのだ。私は地上に混沌をもたらす。この国全土が混沌によって支配されるのだ。私は混沌の女王としてこの地上に君臨する」

「人間たちはどうなる?」

「人間どもはすべて奴隷となることで、生きる権利が認められる。地上の人間たちは隷属あるのみだ、それも例外なく平等にな。フフフフ」

アシュタルテは笑った。

「私の支配のもとで、人間どもは歴史上享受したことのない平等が保障される。そこには偏見や差別などない、完全に等価な存在としてな。もっとも私に隷属することによってだが」

「あなたの地上侵攻をこれ以上許しはしないわ!」

ミリエルが武器を構えた。

「おまえが何を考えていようと、倒すことには変わりがない」

サリエルが刀を抜いた。

「これ以上、好きにはやらせはしないぞ! 怪物どもには魔界にお帰り願おう!」

ディックは刀を取った。

アシュタルテは玉座から立ち上がった。

「フッ、我が混沌の力、おまえたちに思い知らせてやろう」

アシュタルテは小さな火球を無数に作り出した。

アシュタルテはその炎をディックに放った。

サリエルが前に進み出た。

サリエルは氷の矢で無数の火球を迎撃した。

しかし、火球の一つがサリエルをかすった。

「ちっ!」

アシュタルテの力がサリエルを上回っていた。

ディックやミリエルにも火球が届いた。

二人とも火球を迎撃した。

ミリエルは剣をアシュタルテに投げつけた。

アシュタルテは涼しい顔でそれをかわした。

アシュタルテは手に炎をともし、炎の弾をミリエルに放った。

アシュタルテの狙いは正確だった。

炎の弾をミリエルは剣でガードした。

炎の弾は当たると爆発した。

「きゃああああ!?」

アシュタルテは一瞬にしてミリエルに接近した。

アシュタルテはミリエルをつかみ上げると、雷を流した。

「ああああああ!?」

ミリエルをアシュタルテは投げ捨てた。

ミリエルは壁に当たって、床に崩れ落ちた。

「ミリエル!」

アシュタルテは大きな火球を上から斜めに降り注がせた。

「ぐっ!?」

「くそ!?」

ディックとサリエルは爆炎に呑まれた。

アシュタルテは左手に魔力を収束させた。

アシュタルテの左手から大きな炎の熱線が放たれた。

ディックはとっさに跳びのいて難を逃れた。

サリエルは熱線が回避不能と悟るや、氷の壁を出してダメージを軽減した。

ディックはアシュタルテに斬りかかった。

アシュタルテは燃え盛る炎の剣を出して、それを防いだ。

アシュタルテはディックの刀を払いのけて、剣で斬り払ってきた。

ディックはアシュタルテの刃に襲われた。

「ちいっ!?」

ディックは体ごと、アシュタルテにはじき飛ばされた。

壁に激突し、崩れ落ちる。

「フッ、所詮はこの程度か。私の混沌の力の前にはただ屈するのみ。我が力にひざまずくがいい」

「さて、そいつはどうかな?」

ディックは膝をついた。

「まだ、終わっていない……」

サリエルが立ち上がった。

「私もまだ戦えるわ」

ミリエルも立ち上がった。

「おまえたちが何をしようと所詮は無駄な悪あがきにすぎん」

アシュタルテは三人のあいだに爆炎を出現させた。

爆炎は爆発し、三人を巻き込んだ。

「うわああああ!?」

「ううっ!?」

「きゃあああ!?」

三人は爆炎に呑まれた。

三人は床に倒れた。

ディックは再び立ち上がった。

「ほう、あの爆炎を受けてもなお立ち上がれるとはな」

「はあ、はあ、はあ……」

ディックは帽子をかぶりなおした。

「ひざまずき、許しを請うがいい」

「誰がそんなことするか!」

ディックは刀でアシュタルテに斬りかかった。

今度はディックがアシュタルテの炎の剣を押していく。

ディックは力でアシュタルテを攻めた。

ディックに攻められても、アシュタルテは氷のように無表情だった。

アシュタルテは剣の炎でディックを攻撃した。

ディックは後ろに跳びのいてかわした。

そこにサリエルが氷の刃でアシュタルテを攻撃した。

炎と氷が互いに相殺し合う。

「ちっ!」

サリエルはうめき声を出した。

明らかにアシュタルテの炎のほうがサリエルの氷より上だった。

サリエルの氷が退けられる。

「私の炎の方が上のようだな」

アシュタルテは炎の剣を振るってサリエルを攻撃した。

アシュタルテの炎の剣は燃え盛り、サリエルを呑み込んだ。

「うぐっ!?」

サリエルは倒れた。

その時、ミリエルが剣でアシュタルテに攻め込んだ。

アシュタルテが持つ炎の剣の熱が、ミリエルに伝わる。

「フン!」

アシュタルテはミリエルの剣を受け流し、かわした。

ミリエルの剣が空を切った。

アシュタルテはミリエルに爆炎を放った。

「きゃああああ!?」

ミリエルは吹き飛ばされ、床に転がった。

ディックは霊気の刃を伸ばして、アシュタルテを突き刺した。

だが、アシュタルテは剣でガードした。

ディックは刃を伸縮させて、霊気の刃で薙ぎ払った。

これも、アシュタルテはガードした。

「しぶとい奴だ。いいだろう。我が真の力を、思い知らせてやろう」

アシュタルテの手から炎の剣が消え、代わりにハルバードが現れた。

「なん、だと!?」

「フフフ、これが私の本当の武器だ」

アシュタルテはハルバードでディックを攻撃した。

アシュタルテはハルバードで薙ぎ払い、さらに連続で突き刺してくる。

「くうっ!?」

アシュタルテの猛攻はすさまじかった。

ディックはハルバードの後端で弾き飛ばされた。

ディックはくるりと回転して着地した。

そこにサリエルとミリエルが立って現れた。

「大丈夫か、おまえたち?」

「俺はまだ、戦える!」

「まだいけるわよ、アニキ!」

「フン、何匹集まったところで無駄な悪あがきだ。圧倒的な力の差を思い知るがいい!」

アシュタルテは爆炎をまとったハルバードで攻撃を仕掛けてきた。

「ぐあっ!?」

ディックはハルバードの一撃で吹き飛ばされた。

「うううっ!?」

サリエルはハルバードの突きを受け止めたものの、爆炎によって吹き飛んだ。

荒れ狂うハルバードの爆炎はミリエルを壁に激突させた。

「ああああ!?」

アシュタルテは三人の様子を見わたした。

アシュタルテはディックら三人を圧倒した。

「圧倒的ではないか、この私は。三人がかりでこの程度とはな。む?」

ディックが立ち上がった。

「無駄なことを。なおも立ち上がるか。あきらめの悪さだけはほめてやろう。だが!」

アシュタルテは左手を高くかかげた。

上方に巨大な剣が現れた。

「あれは!?」

「いい加減に終わりにさせてもらおう! ドゥンケル・シュヴェーアト(Dunkelschwert)!」

巨大な闇の剣が発射された。

剣はディックたちめがけて迫ってきた。

剣が床に当たった。

「ぐううううう!?」

「くっ!?」

「ああっ!?」

すさまじい衝撃が三人を襲った。

三人は剣の衝撃によって吹き飛ばされた。

三人とも床に倒れた。

「へへっ、まだ行けるぜ?」

ディックはよろよろと立ち上がった。

「バカな……あの剣の攻撃を受けてなお、立ち上がれるのか?」

アシュタルテは無情な表情をディックに向けた。

「フン、爆炎よ!」

アシュタルテはディックがいた地点を爆破した。

ディックはすばやくそれを回避し、アシュタルテに斬りかかった。

ディックの刀とアシュタルテのハルバードがぶつかる白兵戦となった。

アシュタルテの攻撃は恐ろしいほどすさまじい。

アシュタルテはハルバードで薙ぎ払った。

ディックはそれをかわして刀でアシュタルテを斬りつける。

「な、に!?」

さらにディックはアシュタルテを刀で貫いた。

「ぐはっ!?」

ディックは刀を引き抜いた。

「バカな……この私が……混沌の女王が敗れるというのか」

アシュタルテはよろめき、後ろに歩いた後、仰向けに倒れた。

「ふう……なんとか倒せたな。混沌の女王アシュタルテ……強かった」

その時、ゴゴゴと城に震動が走った。

「アシュタルテが死んだから、この城が消えようとしているのか」


詩音は空に浮かぶ城を見た。

城がゴゴゴと轟音を立てていた。

「いったい、何が起こっているの?」

詩音は洋館の外に出た。

怪物たちが消えていく。

怪物たちは町全体から姿を消した。

「あっ、怪物がいなくなってる。勝ったのね、ディックが」

城は消失した。

「よう、、俺たちの出迎えか?」

ディックたちが詩音の前に現れた。

「ディック!」

ディックたちは姿がボロボロだった。

相当ひどくやられたらしい。

「みんな、ボロボロじゃない。相当手ごわい相手だったのね。おかえりなさい」

「ああ、ただいま」

ディックは笑顔で答えた。

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