コント「教習UFO」
配役・・・A=農家 B=宇宙人
A「どうしてくれんだよ!?」
B「すいません」
A「すいませんじゃないよ!早くあの、UFOどけろよ!」
B「ワレワレのミスです。どうかこの通り」
A「謝って済むか!畑に突っ込みやがって。出荷前のカボチャがめちゃくちゃだよ」
B「勘弁してください。修理すれば、UFOの力で元通りにできますんで」
A「本当か?なら早く直せよ」
B「無理です」
A「直せねぇのかよ!なら偉そうに言うな。じゃあせめてUFOどかせ」
B「それも無理です」
A「何ならできるんだよこのポンコツエイリアン!」
B「まだ仮免なもんで」
A「訳の分からない言い訳するな!しっかりしろよお前のUFOだろ?」
B「いえ。あれ、教習UFOなんで」
A「きょーしゅーゆーふぉー?」
B「UFO教習所のなんです。僕は操縦免許を取るために実習してるだけなんです」
A「そんな自動車教習所的なのあるのかよ」
B「はい。だから教官じゃないと直せません」
A「その教官はどこだよ?」
B「それがUFOを脱出する時にはぐれちゃって。でもUFOの座標を特定したらすぐワープして来るはずです」
A「しょうがないな、じゃあ教官が来るまで待つか・・・嫌な未知との遭遇だな」
B「何ですかそれ?」
A「映画だよ。俺もガキの頃はSF映画に夢中でな。宇宙人に会いたいって願ったこともあったよ。まさかこんな形で叶うとはな」
B「(嬉しそうに)そんなに会いたかったんですか?」
A「喜ぶな。もっと他の宇宙人に会いたかったよ。UFOの教習してるしょうもない奴じゃなくて」
B「何言ってるんですか?地球に来るUFOって、全部教習UFOですよ?」
A「えっウソだろ?」
B「本当です。地球はUFOの練習に最適なんですよ。万が一事故っても重大な損失になる文明もないし」
A「悪かったな。ってか全部教習のわけないだろ。偵察とかしてんじゃねえの?空をジグザグに、何か観察するみたいに飛ぶ映像見たぞ」
B「あれは操縦が下手なだけです。上手いドライバーはまっすぐ飛びますから」
A「技量の問題だったの?ってかお前が下手とか言うな事故ったくせに」
B「あれは僕のせいじゃないです!悪いUFOにあおりワープされたんですよ」
A「何だそれ?」
B「急に目の前にワープして減速してきて。それでビックリして墜落したんです」
A「宇宙にもそういうヤツいるんだな」
B「そうなんです。ワレワレにもいろんなタイプがいるんですよ」
A「それも気になるんだけど、何で宇宙人ってワレワレって言うんだ?」
B「教習は必ず生徒と教官2人でするからです」
A「そんな理由?そうだ、UFOが人を攫うことあるだろ。あれも教習なのか?侵略するために地球人を研究してんじゃないのか?」
B「それ操作ミスです。ワープペダルと地球人吸い込みペダルって右と左で間違えやすいんですよ」
A「アクセルとブレーキの踏み間違えみたいに言うな」
B「あれやるとすごく怒られるんですよ。何しろ地球人の記憶消すのすごく大変なんで」
A「記憶消す?ど、どうやって?」
B「それはもう、平謝りで“すいません!忘れてください”って土下座して」
A「思ってたのと違った。機械で脳いじるのかと思った」
B「あなたも、今日のことは言わないでくださいね」
A「言うか。“地球に来てるUFOって教習UFOなんだぜ”なんて言ったら笑われるだけだ。ってか教官全然来ないじゃねえかよ」
B「おかしいな。(電話の音)あっ教官からだ。もしもし」
A「なんでスマホは地球とどっこいどっこいなんだよ」
B「えっ!?ちょっと待ってください(Aを見る)教官、ワープ装置が壊れたからヒッチハイクでここに向かうそうです」
A「急にアナログ」
B「着くまで待機しろ、家に泊めてもらえって言ってます」
A「いいかげんにしろ図々しい!ちょっとかわれ、ガツンと言ってやるから(スマホを受け取る)この、画面に映ってるのが教官?」
B「はい」
A「すぅ~~・・・(深く息を吸う)もしもし地球人ですぅ。いえいえ迷惑なんてそんな。私の家でよければ。えっへっへっへ。(スマホを切る)教官、めっちゃ美人だな」
B「えっ教官が!?」
A「そっちではそうでもなんだ」
B「とにかく、後でお礼はするそうですので、お願いします!」
A「・・・泊めるだけだぞ」
B「ありがとうございます!」
A「じゃあ車乗れ。家まで送るから」
B「へぇこれが地球の乗り物ですか。このレバーは何ですか?」
A「触るな。大人しくしてろ」
B「あっ動いた。えっうわっうぇっ!・・・あなた、運転下手ですね」
A「お前に言われたくねぇよ!」