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悪役令嬢になるのも面倒なので冒険に出かけます(仮)  作者: 綾月百花
7   北の魔物の森
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10   調査


 空を飛べる者は、リリーしかいなくて、団長が1日休んでいいから調査に付き合って欲しいと要請された。

 リリーは国境近くの騎士団の横に置いてきた乗り物を二つ取りに行った。持ってきて欲しいと言われたのだけれど、乗り物に乗らなくても、二人くらいなら運べる。二つとも並べて片付けた。団長と副団長に手を繋いでもらい、団長の手をリリーは握った。団長と副団長を持ち上げれば、連れていくことは可能だ。この山の調査は今までされていなかったらしい。二人とも持ち上げて、上空を飛んでいく。


「器用になったな」

「退屈だといろんな事をしたくなるのですわ」

「そんなに退屈だったのか?」

「はい。やることがないのは、時間の無駄だし、私には向いていませんわ。いろんな物を持ち上げてお手玉をしたり、風爆弾を作ったりして投げていましたわ」

「さすが、子供の好奇心だ」

「私、まだ子供ですけど、もうすぐ15歳になりますのよ」

「ああ、そうだったね。大きなケーキを焼いてもらおう」

「ご褒美にチョコレートとアイスクリームもつけてくださいな」

「いいとも」


 リリーは洞窟の前まで来た。


「入ってみますか?」

「怖くないのか?」

「以前と同じなら、洞窟の中の洞窟の中に入らなければ、攻撃はされませんでした」

「では、行ってみるか」

「団長と副団長は絶対に手を離さないでくださいね。逃げるときは急いで逃げますから」

「分かったよ」


 リリーは慎重に団長と副団長を持ち上げた状態で、空中に浮かんでいる。

 洞窟の中は、ひんやりとして、以前と同じ幅と高さがある。一つ目の洞窟には牛の魔物がいた。洞窟の中を吠えながらうろうろしている。二つ目の洞窟は馬のような魔物がいて、こちらもうろうろ動いていた。

3番目の洞窟は鰻のような大きな魔物が、まるで水槽の中で泳いでいるように飛んでいた。順に見ていく。象は耳が大きく飛べそうだ。実際に飛んだところを見たことはないから、飛べるようで飛べないかもしれないが、この大きさの物が飛んだら、戦いのは大変そうだ。小さなイノシシみたいな魔物を生み出すのは、大きなイノシシだろう。大きな牙が生えていて、毒があるかもしれない。トンボのような魔物も飛んでいる。大きさは、いつも魔物の森に降りてくる魔物よりもずっと大きい。牙や棘が大きく見える。鬼は大きな洞窟に背中を丸めて、二体いた。咆吼しながら、うろうろ動いている。動く花は毒を吐きながら、動いている。黄色い毒は、喉を痛めて呼吸が苦しくなる。急いで通り過ぎて、次の洞窟は大きな毒蜘蛛がいた。赤い目がギラギラ光っている。最初のダンジョンの毒蜘蛛より大きい。鋭い爪の先には毒があるのだろう。洞窟の一番奥は、やはりコウモリだった。大きなコウモリが佇んでいた。このコウモリも飛ぶのだろう。飛びながら、小さなコウモリを産みだしてくるなら、かなり厄介そうだ。


「リリー嬢、急いで撤退だ」

「はい」


 リリーはストームをかけて、一気に洞窟を出て、上空に上がった。


「予想通りだな」

「リリー嬢、寄宿舎に戻ってくれ」

「分かりましたわ」


 リリーは素早く飛んで行く。

 寄宿舎の前にゆっくり団長と副団長を降ろした。


「リリー嬢のお陰で、ダンジョンの中が確認できた」

「いいえ、私も興味があったので、公式で見に行けて良かったです」

「一人で爆走はするなよ」

「・・・・・・はい」

「リリー嬢、勝算はあると思うか?」

「できると思います。毒花には毒マスクを用意して、コウモリの時に耳栓を渡して、音を調節していただくのはどうでしょうか?無音だと動きが分からなくなると、私のメンバーが言っていましたが、音量を調節できれば、動きも分かりますし、攻撃もできると思います」

「リリー嬢の言うとおりだ。狩りの時、耳栓で試してもらおう」

「それがいいと思います」

「リリー嬢、眠い時間にすまなかったな。夜の狩りは休んでいいぞ」

「今から、休みます。私の使命は私の仲間を守ることです。それではおやすみなさい」

「ああ、お疲れ様」


 リリーは急いで部屋に入ると、シャワーを浴びて、髪を乾かし顔にクリームを塗る。

 アトミスを見ると、眠っていた。

 急いで布団に入ると、アイマスクをした。


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