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悪役令嬢になるのも面倒なので冒険に出かけます(仮)  作者: 綾月百花
6   王宮での暮らし
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11   シオンとアトミス


 パーティーが終わった後に、アトミスは笛を吹いた。婚約の品の笛だ。この国の者は耳がいい。自分の贈った笛の音を聞き取ることができる。

 リリーとビエント殿下の婚約パーティーなら弟のシオン様は来ているはずだ。

 何度も笛を吹いてもシオン様は来ない。

 諦めて帰ろうとしたとき、「なんか用」とシオンが現れた。

 シオンは暗い色のタキシードを着ていた。

「今日はパーティーに来られなかったのですか?」

「いたよ」

「どうして一緒にいてくださらなかったの?」

「壁の花になっているアトミスを見ていたんだ。途中で、チビの兄と一曲踊っていたけど」

「私たちは婚約者ですよね?」

「親に押しつけられた物だ。アトミスは珍しい光の魔術師で俺に何かあった時に助けてくれるだろうって・・・・・・」

「私が光の魔術師だから、婚約を承諾したのですか?」

 シオンは壁の上に、片足を乗せて座っている。

「第二王子の役目は、魔術師になることだろう?アトミスがしていたように、魔物と戦いダンジョンを攻略していく。だから、アトミスも俺と一緒に魔術師を続けなくてはいけない」

 アトミスは落胆した顔をした。

「シオン様を助けるために私が必要なのですか?もし、ダンジョンの攻略が終わったらどうなるのですか?」

「そのときは、のんびり過ごせばいいんじゃないか?」

「愛してくださるのですか?」

「俺がその気になれば、愛してやってもいい。美しいモノは好きだ。せいぜい磨くことだ」

「今は愛してくれているのですか?」

「正直に言えば、誰も愛していない。小娘が兄の婚約者になったことも面倒だ。14の歳の子にお姉様なんて言いたくないし、せめて俺より年上の婚約者ならマシだったのに。あのチビは目障りだ」

 アトミスは顔を覆い、泣いている。

「婚約破棄してください」

「俺の命綱だから、婚約破棄はしない。せいぜい、奴隷のように俺を守ることだ」

 シオンは壁を飛び降りると、歩いて行った。

 アトミスは涙を拭くと、家族が待つ馬車に向かって歩いて行った。


オマケです♪

次話は7章に入ります

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