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悪役令嬢になるのも面倒なので冒険に出かけます(仮)  作者: 綾月百花
5   ダンジョンへの攻撃
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9   夜の狩り



 拾ってきたアクセサリーを。効果順に置いていく。その中でも、力が強い物から弱い物まである。リリーは部屋で、順に並べていった。効果の強い物だけをチョコレーの箱に並べていく。弱い物は袋に入れて、効果別に記入をしておいた。力のブレスレットが4つ取れて、リリーはビエント様にプレゼントしようと思っている。選別をしている横で、アトミスも同じ作業をしていた。

 リリーは自分しか持てない武器を持ち、その質感と高価な宝石が飾られている杖を持ち、杖を撫でる。ロットは杖より少し短い。煌びやかな大きなダイアモンドのような石が載っている。持っているだけで、杖もロットも魔力が増す。誰でも触れる事ができる杖やロットも魔力が増す。これもビエント様にプレゼントをしようと思っている。

「アトミスお姉様、そういえば、シオン様はどんな属性をお持ちですの?」

「風属性だったと思いますわ」

「それならロットか杖を一つお持ちになりますか?」

「いいの?」

「はい」

「どれが似合うかしら?」

「精悍なイメージがありますから、色を想像すると白っぽい色が似合いそうな気がしますね。これなんか如何ですか?」

 リリーは形のいいロットを取り出して。

「シルバーで形がかっこいいですわ」

「それならこれにいたします」

「どれか好きなものを選んでくださいな」

 アトミスがアクセサリーを見せてくれる。

「私もたくさん拾いましたから、お気遣いはいりませんのよ」

「それなら、これは如何ですか?」

 青色の指輪をリリーに着けた。

「魔力がずいぶん上がりますね」

「この宝石を見つけた後から、こればかりを拾いましたの。よかったらもらってくださいな」

「それなら、交換ですわね」

「そうね。もらいっぱなしは、好きではないの」

「わかりましたわ」

 そうか、魔力の強い物。リリーは指輪を一端抜くと、魔力の強くなる物を探していく。

 ネックレスと指輪もあった。シンプルなシルバーのネックレスと指輪だが、アトミスからもらった指輪より強い気がした。ちょうど二つあるから、これをビエント様に贈ろう。

 でも、この指輪はまるで結婚指輪のようなシンプルな形をしている。今は、まだ早いかもしれない。まるで結婚を急かしているようで、今は時期ではないような気もする。

 リリーは箱の中に仕舞って、旅行鞄の中に入れて鍵をかけた。アトミスがくれた指輪だけ、指にはめて、お揃いを楽しんだ。力の弱い髪飾りを出して、髪に飾った。ロットや杖もクローゼットに片付ける。

「今日の狩りに持っていかないの?」

「魔物出るでしょうか?」

「わからないわ。でも試し打ちくらいはできるでしょう」

「そうね。でも荷物になるから、食事の時は置いてくわ」

「確かにそうね」

 アトミスは楽器のような武器をクローゼットにしまった。

 二人はお揃いの指輪をはめて、食堂に向かった。



 アハト達は既に食べていた。アトミスとリリーも食事を取るためにトレーにお皿を置くと料理を載せていく。アトミスは食事制限をしているのか、あまり食べないが、リリーは今が成長期なので、かなり食べる。食べるものはアトミスの真似をしているが、量はリリーの方が多いと感じるときが多い。最後にオレンジジュースを載せて、アハト達の前に座る。

「お揃いの指輪だな」

「魔力が上がりますの」

 アトミスは小さな声で言った。

「へえ」

「俺たち金貨ばかり拾っていたからな」

「金貨も大切ですわ。換金したら、お金になりますもの」

 リリーは思った事を口にする。

 街に行ったとき3枚金貨を持っていったが、1枚で十分なほどお金がもらえたので、残りの2枚は仕舞っておいた。金貨は確かに嬉しい。今回のダンジョンへの攻撃で金貨が10枚もらえて、リリーは正直に言えば、かなり嬉しい。

 自立できるし、両親に贈り物ができる。花嫁になるためのドレスを作ることができる。

 食事を終えると、リリーは杖を持ってきて、アトミスは楽器のような武器を持ってきた。

 そのままアハト達と合流して、狩り場に移動する。狩りを休んでいた間に、魔物が出たのだろう。狩り場は荒れていた。

「背後をお願いします」

「了解」フィジが答えた。

 リリーは狩り場の掃除をする。爆風を出すと、木まで倒れるほどの力が出た。

「これはすごい」

 皆が感心している。

 日が暮れて、辺りが暗くなっても、いつも湧いていた魔物が湧かない。

「魔力が強くなっても使うところがないじゃないか」

「物足りねえ」

「寝てもいいんじゃねえか?」

 男性諸君はまったくやる気がない。

「この国は、他にも魔物が出る場所がありますのよ」

「お姉様、それは本当ですか?」

「ええ。国境地帯なので、こちらが優先的に魔物退治をしていましたが、北の森にある魔物の森が湧いていますわ」

「今度はそっちに行ってみるか?」

「お嬢さん達はどうする?」

 ワポルが珍しく聞いてきて。

「とりあえず、休暇を満喫したいわ」

「私も家族に会いたいし、休暇が欲しいわ」

「それもそうだな、取り敢えず、休暇だな」フィジが答えた。


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