9 第二回ダンジョンへの攻撃(2)
部屋に行くとアハト達が来ていた。
アトミスは鞄を下ろし、手を洗っていた。
「ただいま帰りましたわ」
「お疲れだったね」
「リリーのお陰で、作戦成功だ」
「ラストアタックまで取るとは、俊敏性があるのかな?」
アハトは杖とロットを腰に巻いたままだ。
「アハトありがとう」
「どういたしまして」
杖とロットを持つと、アハトはくくりつけていた紐を解いた。
「専用のロットと杖だね」
「そうみたいですわね」
ベッドの横に寝かして置くと、リリーも鞄を降ろす。
「なんだか、うっすらと黄金に見えたのよ」
リリーは手を綺麗に洗い、うがいをすると顔も洗ってしまう。
「俺はそういうのを見えなかったが、ラストアタックと、たまたまの魔獣からのプレゼントかな?」
リリーが顔を洗っているので、アトミスがアハト達の相手をしている。
「アハト達は金貨、たくさん拾えましたか?」
「一生、働かなくてもすみそうなほど集めた」
「それはよかったわね」
「さあ、そろそろ食堂に行くぞ」
フィジが扉を出て行く。
「魔物がいなくなったら、安心してこの道を通れますね」
「でも、よくよく考えたら、魔物がいなくなったら、俺たちの仕事がなくなる」
リリーが、また眠そうにあくびをして、そのまま眠りそうなのに気づき、アトミスはリリーの手を繋ぎ、「行きますわよ」と部屋から出て行った。
「ダンジョンの攻略ご苦労。ダンジョンの奥まで辿り着き、ボスを退治できた。皆のお陰だ。感謝したい。1日休日を作り、夜の狩りに出てみて欲しい。魔物が出てこなければ成功だと思われる」
「はい」皆が返事をした。
「食事を終えたら、事務所に寄って、金貨を受け取って行くように」
「はい」と皆が返事をした。
「ゆっくり食事をして寛ぐように。私から以上だ」
団長が敬礼するので、皆も立ち上がり敬礼する。
そのまま、順に食事を取りに行く。リリーはアトミスの横に並び、お皿に料理を盛っていく。「リリー嬢、今日も活躍お疲れ様でした。団長からのご褒美です」シェフがリリーのトレーにアイスクリームとチョコレートを置いてくれた。
「ありがとうございます」
シェフは微笑んで、奥へと入っていった。
「よかったわね、リリー」
「はい」
暖かいパンを取り、バターももらう。最後にオレンジジュースをもらって、席に着いた。
「今日はお疲れさま」
アハトはリリーが席に着くと、皆に言った。
「うちのメンバーに怪我人が出なくて良かった」
「そうですわね。毒蜘蛛は毒を抜いても、どうしても発熱してしまいますから」
リリーは頷いている。
「乾杯でもするか?」
アハトもワポルもフィジもグラスを持ち上げている。アトミスとリリーもグラスをあげて、「乾杯」と声を出して、グラスを触れさせる。いい音がする。
リリーは一口ジュースを飲むと、料理を食べ出した。お昼はパン一個だったので、どうしても空腹だ。アハト達がおかわりを取りに行った。アイスクリームまで食べて、リリーも少し物足りない。
「私もおかわりしてきます」
「私もしたいわ」
珍しくアトミスがおかわりに立った。
アトミスの横に並び、最近お気に入りになったおかずを取り、シチューと葡萄の入った柔らかいパンを二つとオレンジジュースをもらって、席に着く。男性諸君の食器の上には山盛りのおかずが乗っている。
「さすがにお昼は少なかったですわね」
「途中でお腹が鳴っていましたの」
リリーがお腹に触れる。ポーションが手に触れて、これを使う機会がなくて良かったとリリーは思った。
美味しい料理を食べた後、事務所に寄って、前回の分と今回の分で、10枚の金貨をもらった。
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