7 魔物が落とす宝
「今日の作戦は成功だろう。ダンジョンの奥までずいぶん進めたと思う。次回もこの作戦で行いたいと思う。次回決行は明後日だ。ゆっくり休むように」
「はい」
順番に食事を取りに行く。アトミスの後に並んでリリーは、アトミスと同じメニューを載せていく。シェフがリリーを見て、チョコレートをトレーに置いてくれる。
「ありがとうございます」
「団長からです」
リリーの頬に笑みが浮かぶ。
オレンジジュースをもらって、席に着く。
「アハト、アクセサリーありがとう。アハトがくれなかったら、気付かなかった」
「リリーが帽子をかぶせてくれなかったら、気付かなかったよ」
「魔力の増幅は嬉しいわね」
「私、全部外したら動けなくなったわ。体力アップのアクセサリーのお陰で動けているの」
「リリーは、今日は一番頑張ったからな」
「乗り物を押してみたけど、あれ自体、ずいぶん重いんだな」
ずいぶん慣れた寄宿舎の料理を食べながら、体を寄せ合い、パーティーメンバーは話している。
「魔法で上げているから、腕が筋肉痛になったりしないけれど、体力の消耗は激しいかな?」
「次回もリリーの運搬にかかっているから、頑張れよ」
「ええ、頑張るわ」
食事を終えて、オレンジジュースを飲んだ後に、ご褒美のチョコレートを口に入れる。
完全に餌付けされているが、体力と気力の回復には甘い物が必要だ。
「リリー眠そうよ」
「・・・・・・眠いです」
「お部屋に戻りましょう」
「トレーは片付けておくよ」
「アハトお願い」
アトミスはリリーを連れて、部屋に戻る。
「お風呂先に入っちゃいなさい。シャワーだけでも、ちゃんと浴びるのよ」
「はーい」
リリーはアトミスがお風呂から上がる前に、すっかり眠っていた。
アトミスは電気を消すとリリーのベッドに入って眠った。
やはりリリーを抱きしめていると、すぐに眠くなる。アトミスもぐっすり眠った。
チョコレートの空き箱に指輪やネックレス、ブレスレットなど種類ごとに並べる。
リリーは乗り物を運搬させながら、どの宝石が、どんな力を発揮するのか試した。
体力に魔力、敏捷性、力、まだ他にもあるかもしれないが、4種類は確実に上がる物がある。綺麗に並べたチョコレートの箱を、部屋に置きに行き、また乗り物を運搬させる練習を行う。
「リリー嬢、まだ練習するのか?」
「団長、疲れましたか?」
「本番は明日だ、休んだらどうだ?」
団長を乗せながら練習しているので、団長も疲れているのだろう。
「では、片付けます」
乗り物を端に寄せ、片付け始める。
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