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悪役令嬢になるのも面倒なので冒険に出かけます(仮)  作者: 綾月百花
5   ダンジョンへの攻撃
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6   ダンジョンへ


 ポーションは一人15個持って、リリーは右手に25名と左手に25名載せて、寄宿舎の前から飛び立った。戦士達はリリーが集中できるように、黙ってじっとしてくれている。山まではすぐに着く。まだ日の出の光が眩しい。素早く50人が降りて、リリーは空になった乗り物を持って寄宿舎の前へと降りた。素早く戦士が乗り込み、団長と副団長も乗り込んだ。今度は52人だ。リリーは集中して飛び立った。すぐに山に着き、着陸する。

 無事に任務を終了して、団長に褒められる。

「よくやった」

「ありがとうございます」

 作戦では、まずは洞窟の中の様子を観察する役目に、2班が入る。様子を見たら、いったん出てきて報告をする。皆が生きて帰るのが先決だと団長が言った。慌てず慎重に行うことと、朝食の時間に団長が言った。

 先遣隊が出てきた。

「中には大きな洞窟が幾つもあり、そこにいつも倒している魔物の大きいものが一体ずつおります。ボスでしょうか?」

「力のほどは、戦ってみなければわからないだろう。1体ずつ倒していこう」

 松明に火を付けて、団長が先導する。リリーとアトミスは後衛を守るように言われている。

 先に走って25名5グループが一つの洞窟に入ると、洞窟の扉が閉まった。

 後ろから追いかけてきた者達は洞窟の前で呆然とする。

 外から押しても引いても、何をしても動かない。

  扉は、ある一定時間しか空かず、集まってから入らなければならない事が分かった。



 洞窟の中では、魔物が雄叫びを上げた。その瞬間。魔物が大量に湧き出た。

 戦士達は攻撃を始めた。大きな魔物が雄叫びを上げるといつも倒しているサイズの魔物が生まれる。

「こいつが魔物のボスか」

 誰かが言った。

「確かに魔物から魔物が生まれてくる。

 魔物退治をするときのように雑魚を倒す者とボスを倒す者に別れた。

 最初の魔物はそれほど強くはなく、すぐに倒れた。魔物は消え、魔物の倒れた場所に、金貨や宝箱が落とされた。それと同時に洞窟の扉が開いた。戦士たちは、金貨をポケットに入れたり宝箱を持ち出したりした。中での様子を団長に報告すると、今度からは全員で入ろうと言われた。



 洞窟の中はどこもゆったりと広い。

 基本的にいつも倒している魔物のボスなのだろう。毎日戦っている魔物と弱点は同じのようだ。魔物が落とす宝を奪い合っている間に、また扉が閉まった。宝箱が膨らみ弾けた。宝箱の中から前の魔物より凶暴な魔物が現れて、今度は毒をまき散らす。宝箱は開けなければ、魔物は復活するのだとわかった。復活した魔物は最初の魔物よりも強い。魔物を倒すとまた宝が出てくる。最初の時より指輪やネックレスが落ちている。アハトが指輪とネックレスをリリーに着けてくれた。

「ありがとう、アハト」

「チョコレートのお礼だよ」

 あれ?なんだか力が漲ってくる。

 リリーは走って残ったアクセサリーを拾うと急いで洞窟から出て行く。

「お姉様、付けてみて。なんだか力が漲って来ます」

「そうなの?」

 アトミスは指輪とネックレスをはめて、「あら、ほんとうね」と感心した。

「金貨より、アクセサリーの方が価値がありそうね。魔力が上がるわ」



 順番に洞窟の奥へと進んでいく。洞窟の手前は、それほど強い魔物はいなかったので、かなり順調に進めている。みんな魔物のボスが落とした金貨をポケットにいっぱい入れて、もう入らなくなったのか、拾う者も少なくなってきた。リリーはアクセサリーを拾い、アトミスと分けて、自分に身につけていく。髪飾りや眼鏡まである。帽子が出たときはアハトにかぶせた。

 アハトはすぐに気づき、落とされたアクセサリーを拾うようになった。ワポルもフィジもアクセサリーを拾うようになった。魔物が強くなるほど、落とされるアクセサリーの力が強く、杖やロットも転がり始めた。皆がアクセサリーに興味を持ち始め、それを身につけると魔力が上がるのだと気付きだした。

「今日の目的を忘れるな」

 団長が奪い合って喧嘩を始めた団員を叱りつける。

「時間だ、今日は退去だ」

 素早く洞窟の中を皆が走る。リリーは飛んで先に乗り物の場所に移動する。

 最初の50人を載せて、リリーは飛び立つ。魔力が強くなったからか、運ぶのが楽になった。寄宿舎の前に降りると、すぐに戦士たちは降りて、リリーはすぐに飛び立つ。

 すぐに山に降り立ち、残りの52人を載せて、飛び立つ。上空まで上がると、すぐに寄宿舎の前に着陸した。

 皆が降りると、乗り物を寄宿舎の端の邪魔にならない場所に移動させる。

「お疲れだったね」

「団長も。お疲れ様でした」 

 二人は急いで、寄宿舎の中に入った。

 夕方になると、魔物が出る。

 今日倒してきて、魔物の数は減っただろうか?

「30分後に食堂に集合」

 団長はマイクを使って、皆に伝えた。

 それぞれいったん、部屋に戻る。

「お姉様、お疲れ様でした」

「リリーこそ、お疲れ様でした。きちんとできたわね」

「はい」

 リリーは身につけていた宝石を外していく。すべてを外したら、体力ゲージが底をついて、動けなくなった。

「体力はどれかしら?」

一つずつはめて、確かめていく。体力は指輪と腕輪のようだ。なんとか動けるようになった。

アトミスも試している。

「次はポーチを持っていこうかしら?魔力のあがる品は、貴重よね。命に関わってくるもの」

「そうですわね」

「さあ、団長が待っているわ」

 アトミスは手を洗っている。その指先には青色の指輪をしていた。

 リリーも手を洗う。

 集まって、きっとそのまま食事だろう。


オマケ載せられなくてすみません・・・

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