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悪役令嬢になるのも面倒なので冒険に出かけます(仮)  作者: 綾月百花
5   ダンジョンへの攻撃
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1   大規模作戦の話


 夕食の時間に全員集合のアナウンスが入った。

 夕食をトレーに載せて、テーブルに着いて食べていると、騎士団の団長が前に立った。

「食べながらでいい、聞いてくれ。いつも魔物退治ご苦労。国王様からも感謝の言葉を聞いている。街に魔物が頻繁に出るようになり、国王様は憂いておられる。そこで大規模な調査を行いたいと思う。この魔物の森の奥に突き出た山があるのを見た者もいるだろう。夕刻になると、その山の洞窟から、大量な魔物が出てくる事までは調査済みだが、中の様子は未知の段階だ。今回は洞窟の中の調査をして欲しいと国王から依頼がきている。志願者はいないか?礼金は普段の5倍額出されるそうだ」

「団長質問です」

「言ってみろ」

「小規模で調査をするのは危険ではないでしょうか?毎日、たくさんの魔物が出てくる洞窟です。皆で協力して出かけないと死にに、行くだけです」

「確かにその通りだ。危険を伴う業務になることは間違いないから、国王様も皆でという指示が出せないでいる」

 食堂はシーンと静まりかえった。

「姿を消せるスキルを持った物はいるか?」

 誰も手を挙げない。

「空を飛べるスキルを持った物はいるか?」

 リリーは手を挙げた。

「リリー嬢一人か」

 皆の視線がリリーに注がれる。

「全員に行けとは言えない。調査は人数次第で決める。来週もう一度、決意を聞く。よく考えて欲しい」

 団長は敬礼をして食堂を出て行った。

「リリーが言っていた、ダンジョンね」

 アトミスが、こそっとリリーに言った。

「ダンジョンって何だよ?」

 アハトがリリーに聞く。

「その洞窟の中に、魔物を生み出す魔物がいると聞きましたわ。その魔物を生み出す魔物を倒さなければ、魔物はずっと生み出され続けるというわけです。その洞窟をダンジョンと呼んでいるそうです・・・・・・」

 他の席の者もリリーの話を聞いている。

「魔物を生み出す魔物を倒しに行かせたいわけか」

 他の席の戦士が口にした。

「ずっと雑魚ばかりを倒していても、毎日生まれてくるから、魔物を生み出す魔物を倒さなければ、魔物はずっと湧き出すばかりだからな」

「やってみる価値はあると思うが、やはり危険を伴う」

 食堂では戦士達がそれぞれ意見を出し合って話し合いが始まった。

 リリーは食べかけの食事を急いで食べて、オレンジジュースをゆっくり飲む。

「俺はやってみてもいいと思う」

 アハトは言った。

「毎日の魔物退治もいつまでも続けられないだろう」

「金貨五枚はかなり嬉しい。家族に仕送りができる」

「生きてこそではないか?」

 反対の意見もでてくる。

 リリーとアトミスは黙って、皆の意見を聞く。

 いろんな意見が出たが、狩りの時間になり、話し合いはお開きになった。

「ポーション持ったか?リリー」

「はい。最近は10本持っています」

「偉いな」

 アハトがリリーの髪を梳く。

 美しい髪が広がる。

 アストラべー王国は金髪が多いが、白銀の髪の者はいない。リリーの瞳の色は、この国の持つ青とはまた違った青だ。

 濁りのない宝石のような青だ。黄金色のアトミスと珍しい白銀のリリーは、騎士団の中で知らぬ者がいないほど有名だ。

 二人が王家の者と婚約している事を知る者は、騎士団長くらいしかいないだろう。


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