2 どうして子爵令嬢がいるの?
プレゼントの受け渡しが終わったのか、第一王子アルミュールがパーティー会場に入ってきた。
が、何とその傍らにはミーネ・カノニ・ヴァンヴァ子爵令嬢がいるではありませんか?ミーネはリリーと同年齢だ。
13歳から入学できる王立学園で同じクラスだ。
そのミーネが、あろうことかクラスメイトの婚約者であるアルミュール王子と腕を組んでいる。
本来なら、アルミュール王子と腕を絡めて歩くのは、正式な婚約者であるリリーの役目のはずだ。
食事を終えたリリーは、二人に近づく。
「アル、どうしてミーネなの?」
「ミーネが最後にプレゼントをくれたから、一緒に入ってきただけなのだ」
「アルって無神経ね。その場所は婚約者の場所なのよ」
ミーネが慌てて王子との腕を解いた。
リリーは恥知らずのミーネを睨んだ。
「殿下に誘われたので、すみません」
「・・・・・・あら、そう」
リリーは、二人から離れていく。リリーが離れると、鳥頭なのか再びアルミュールはミーネと腕を組み直し、歩き始めた。
「不快だわ!」
ザワザワとパーティー会場に風が流れた。
窓がバタバタいっている。
使用人は窓が空いていないか調べに走り回った。